インフレーション成形とTダイフィルム成形の違いとは?特徴・メリット・用途を徹底比較
- n6nomura
- 7月6日
- 読了時間: 4分
フィルム製品の製造方法は、
【インフレーション成形】と【Tダイフィルム成形】という
代表的な2つの工法があります。
どちらも樹脂を溶かしてフィルム化する方法ですが、
製造方法や得意分野は大きく異なります。
【どちらを選べばいいの?】【加工性や品質に違いはあるの?】
このような疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、インフレーション成形とTダイフィルム成形の違いを
加工方法・特徴・メリット・デメリット・用途まで
わかりやすく解説します。
■インフレーション成形とは?
●インフレーション成形(inflation Film)は、溶融した樹脂を
円形ダイから押し出し、空気を送り込んで風船のように
膨らませながら冷却・延伸してフィルムを製造する方法です。
主にポリエチレン(PE)の袋や包装フィルム等
大量生産される製品で採用されています。
※特徴
・円筒状に成形される
・空気圧でフィルムを延伸
・縦、横方向にバランスよく強度が出やすい
・袋加工との相性が良い
■Tダイフィルム成形とは?
●Tダイフィルム成形は、溶融樹脂をT字型のダイから
シート状に押し出し、冷却ロールで急冷してフィルムを
製造する方法です。
厚み精度や透明性に優れており、高機能フィルムや
ラミネート用途 等、幅広く利用されています。
※特徴
・平らなシート状で押出し
・冷却ロールで急冷
・厚みが均一
・表面平滑性が高い
■インフレーションとTダイフィルム成形の比較
項目 インフレーション Tダイフィルム
・成型方法 : 空気で膨らませる : 冷却ロールで成形
・ダイ形状 : 円形ダイ : Tダイ
・厚み精度 : ややばらつく : 非常に高い
・透明性 : 普通 : 非常に高い
・表面平滑性 : 普通 : 高い
・生産速度 : 比較的早い : 高速生産が可能
・多層化 : 可能 : 非常に得意
・シート加工 : 不得意 : 得意
・袋加工 : 非常に得意 : 後加工が必要
■インフレーション成形のメリット
①袋製品を効率よく製造できる
●チューブ状で成形されるため、レジ袋やゴミ袋 等を
効率よく生産できます。
②フィルム強度が高い
●縦方向・横方向へ自然に延伸される為、引き裂き強度に優れる。
③設備コストが比較的低い
●一般包装用とでは導入しやすく、多くのメーカーで採用されている。
■インフレーション成形のデメリット
・厚みムラが発生しやすい
・表面平滑性が低い
・高透明フィルムには不向き
・精密な厚み管理が難しい
■Tダイフィルム成形のメリット
①厚み精度が非常に高い
●冷却ロールで均一に成形する為、数μレベルの厚み管理も可能。
②優れた透明性
●急冷されることで結晶化を抑えられ、美しい透明フィルムが
製造できる。
③高機能フィルムに最適
・光学用途
・医療用途
・電池材料
・ラミネート基材
・生分解性フィルム
など高付加価値製品に多く採用されています。
④コンパウンド開発との相性が良い
●新材料のフィラー入り樹脂、生分解性樹脂などの試作では
Tダイフィルム成形による評価が行われるケースが多くあります。
厚みや分散性、外観を正確に評価しやすいことが大きなメリットです。
■Tダイフィルム成形のデメリット
・設備投資が大きい
・袋製品には後加工が必要
・ロール管理など運転条件が重要
■用途の違い
※インフレーション成形
・レジ袋
・ゴミ袋
・農業用フィルム
・食品包装
・ストレッチフィルム
※Tダイフィルム成形
・食品包装フィルム
・医療フィルム
・電子材料
・光学フィルム
・リチウムイオン電池部材
・生分解性フィルム
・試作、研究開発用フィルム
■どちらを選ぶべきか?
●目的によって最適な工法は異なります。
※インフレーション成形がおすすめな場合
・袋製品を作りたい
・コストを抑えたい
・強度を重視したい
※Tダイフィルム成形がおすすめな場合
・厚み精度を重視したい
・高透明フィルムを作りたい
・新材料やコンパウンドを評価したい
・高機能フィルムを開発したい
■まとめ
●インフレーション成形とTダイフィルム成形は、
どちらもフィルム製造に欠かせない重要な技術ですが
それぞれ得意分野が異なります。
・インフレーション成形は袋製品や大量生産に適した工法
・Tダイフィルム成形は高精度・高品質なフィルム製造に
適した工法
用途や求められる性能に応じて適切な成型方法を選択する事が
高品質な製品づくりに繋がります。
特に、試作開発や新材料評価では、厚み精度・外観・分散性を
正確に確認できるTダイフィルム成形が大きな強みを発揮します。






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