コンポストで分解する樹脂とは?家庭用と産業用の違いをわかりやすく解説
- n6nomura
- 6月10日
- 読了時間: 4分
更新日:7月1日
近年プラスチックごみによる環境問題への関心が高まる中
【コンポストで分解する樹脂(コンポスタブル樹脂)】
が注目されています。
しかし、
「生分解樹脂とは何が違うの?」
「家庭用コンポストでも本当に分解するの?」
「産業用コンポストとは何が違うの?」
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
実は、コンポストで分解すると一言でいっても
【家庭用コンポスト】と【産業用コンポスト】では
分解環境が大きく異なります。
その為、同じコンポスタブル樹脂でも分解できる条件が
異なります。
本記事では、コンポストで分解する樹脂の仕組みや種類
家庭用コンポストと産業用コンポストの違いについて
わかりやすく解説します。
■コンポストで分解する樹脂とは?
●コンポストで分解する樹脂とは、微生物の働きによって
最終的に水と二酸化炭素へ分解されるプラスチックの事です。
一般的には【コンポスタブル樹脂】と呼ばれています。
通常のプラスチックは自然環境中で長期間残りますが
コンポスタブル樹脂は適切な温度・湿度・微生物環境課
で分解されるよう設計されています。
ただし、【自然界ならどこでも分解する】という
意味ではありません。
決められた条件を満たしたコンポスト環境が必要となります。
■コンポスタブル樹脂の代表例
●代表的なコンポスタブル樹脂には以下があります。
①PLA(ポリ乳酸)
●トウモロコシやサトウキビ由来の糖を原料として製造
されるバイオマス樹脂です。
透明性が高く、食費容器やカトラリーなどで広く
利用されています。
ただし、高温環境が必要な為、一般的には
産業用コンポスト向けです。
②PBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)
●柔軟性に優れ、レジ袋や包装フィルム用途で使用される
事が多い樹脂です。
他の生分解性樹脂とブレンドして使用されるケースもあります。
③PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)
●微生物によって生産される樹脂で、海洋環境でも
分解しやすいことから近年注目されています。
■家庭用コンポストとは?
●家庭用コンポストとは、生ごみや落ち葉などを家庭で
堆肥化する設備です。
一般的な特徴は以下の通りです。
・温度:20~40℃
・規模が小さい
・温度管理が難しい
・微生物量が安定しない
※その為、分解速度は比較的ゆっくりになります。
家庭用コンポスト対応製品は、このような比較的穏やかな
環境でも分解できるよう設計されています。
■産業用コンポストとは?
●産業用コンポストとは、自治体や専門施設で運用される
大規模な堆肥化設備です。
特徴として、
・温度:50~70℃
・温度管理が可能
・微生物量が豊富
・分解条件が安定している
といった点があります。
※高温状態を維持できるため、生分解反応が大幅に促進されます。
PLA等の多くのコンポスタブル樹脂は、
この産業用コンポスト環境を前提に設計されています。
■家庭用と産業用コンポストの違い
項目 家庭用コンポスト 産業用コンポスト
・温度 : 20~40℃ : 50~70℃
・微生物 : 少ない : 多い
・管理状態 : 個体差が大きい : 安定管理
・分解速度 : 遅い : 早い
・PLAの分解 : 難しい場合あり : 容易
・主な用途 : 家庭生ごみ処理 : 大規模堆肥化
※この違いを理解せずに【コンポスタブルだから家庭で分解できる】
と考えると、思ったように分化しないケースがあります。
■コンポスタブル認証マークとは?
●コンポスタブル製品には認証制度が存在します。
代表例として、
・OK Compost HOME(家庭用コンポスト対応)
・OK Compost INDUSTRIAL(産業用コンポスト対応)
・EM13432
・ASTM D6400
等があります。
※認証マークを見る事で、その環境で分解可能か判断できます。
製品選定時には、認証の有無を確認する事が重要です。
■今後期待されるコンポスタブル樹脂
●近年は脱炭素社会への取り組みやプラスチック資源
循環促進の流れから、コンポスタブル樹脂の市場が
拡大しています。
特に、
・食品包装
・農業用フィルム
・カトラリー
・テイクアウト容器
・生ごみ回収袋
等の採用が進んでいます。
※一方で、リサイクルとの棲み分けや回収インフラ整備
などの課題も残されており、今後の技術開発と社会整備が
期待されています。
■まとめ
●コンポストで分解する樹脂(コンポスタブル樹脂)は
適切な環境下で微生物によって分解される
環境配慮型プラスチックです。
しかし、家庭用コンポストと産業用コンポストでは
分解条件が大きく異なります。
特にPLAなどは産業用コンポストを前提としている場合が多く
【コンポスタブル=家庭で必ず分解する】
というわけではありません。
製品を選ぶ際には、コンポスタブル認証の種類を確認し
使用環境に適した材料を選定する事が重要です。
環境負荷低減への取り組みが進む中、コンポスタブル樹脂は
今後ますます注目される材料の一つとなります。






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