フィッシュアイ対策に重要な【混錬】とは?原因と改善ポイントを徹底解析
- n6nomura
- 5月22日
- 読了時間: 4分
樹脂成型やコンパウンド加工において発生する代表的な不良の一つが
【フィッシュアイ】です。
外観不良や物性低下に繋がる為、多くの現場で問題視されています。
フィッシュアイ対策として温度や材料乾燥に注目される事は多いですが
実は非常に重要なのが【混錬】です。
【しっかり混ぜればよい】という単純な話ではなく
・どのように溶かすか
・どのタイミングで分散させるか
・どれだけせん断を与えるか
によって、フィッシュアイ対策における混錬の考え方について
実際の加工現場目線でわかりやすく解説します。
■フィッシュアイとは?
●フィッシュアイとは、フィルム・シート・成型品表面に現れる
異物状の丸い欠点の事です。
見た目が【魚の目】に似ている為、この名称で呼ばれています。
主な特徴として、
・周囲と光沢が異なる
・小さなゲル状異物に見える
・押出方向に伸びる場合がある
・透明製品では特に目立つ
といった現象があります。
※原因は様々ですが、その中でも非常に多いのが【混錬不足】です。
■なぜ混錬不足でフィッシュアイが発生するのか?
●樹脂は単純に【溶ければOK】ではありません。
押出機内部では、
樹脂を溶融する
添加剤を分散させる
温度を均一化する
未溶融物をなくす
という工程が同時に進行しています。
※この工程が不十分だと
・未溶融樹脂
・添加剤凝集
・劣化ゲル
・高粘度塊
等が残り、それがフィッシュアイとして現れます。
つまりフィッシュアイとは、
【内部で均一化出来なかった痕跡】
ともいえるのです。
■フィッシュアイ対策に重要な混錬の考え方
①【分散】と【分配】は別物
●混錬には大きく分けて
・分散混合
・分配混合
があります。
※分散混合
⇒凝集物を細かく砕く作用
※分配混合
⇒材料を均一に行き渡らせる作用
フィッシュアイ対策では、この両方が重要です。
例えば、
・添加剤ダマ
・顔料凝集
・難燃剤凝集
・セルロース繊維の束
等は、単に循環させるだけでは改善しません。
適切せん断を与えて【崩す】必要があります。
②せん断を上げれば良いわけではない
●よくある誤解として、【回転数を上げれば混ざる】
という考えがあります。
確かにせん断力は上がりますが、過剰になると逆効果です。
過混錬による問題として、
・樹脂劣化
・ゲル化
・焼け
・分子量低下
・異常発熱
これらもフィッシュアイ原因になります。
詰まり重要なのは、【必要な部分に必要なせん断を与える】
という考え方です。
■二軸押出機で重要になるポイント
●【ニーディングディスク構成】
二軸押出機では、ニーディングディスクの配置によって
混錬性能が大きく変わります。
例えば、
・順ネジ角
・逆ネジ角
・中立ディスク
・搬送優先構成
によって
・滞留時間
・せん断量
・充満率
が変化します。
※フィッシュアイが多発する場合は、
【温度条件】より先にスクリュー構成が原因である
ケースも少なくありません。
■樹脂の溶ける位置を理解する
●混錬で重要なのは、【どこで完全溶融しているか】
を把握する事です。
未溶融状態で強せん断を与えると、
・樹脂破砕
・局部発熱
・ゲル化
に繋がります。
※逆に、完全溶融後に適切な混錬を与える事で
フィッシュアイ低減に繋がります。
■添加剤配合時は特に注意
●以下の材料は特に混錬不足によるフィッシュアイが
発生しやすいです。
・難燃剤
・タルク
・ガラス繊維
・セルロース
・高濃度顔料
・リサイクル材
・高粘度樹脂
特に高充填配合では、【混ぜる】よりも【どう崩すか】
が重要になります。
■フィッシュアイ対策で確認したいポイント
●フィッシュアイが発生した際は、以下を確認すると
原因特定しやすくなります。
※チェック項目
・樹脂は完全溶融しているか
・温度分布は適切か
・スクリュー構成は適切か
・回転数が過剰ではないか
・原料投入位置は適切か
・添加剤が凝集していないか
・滞留が発生していないか
・スクリーンつまりはないか
単純に温度だけ変更しても改善しないケースが非常に多い為
混錬全体を見直すことが重要です。
■まとめ
●フィッシュアイ対策において重要なのは、単純な【高混錬】ではなく
・適切な溶融
・適切なせん断
・適切な分散
・適切な滞留管理
をバランスよく設計する事です。
特に二軸押出機では、
・スクリュー構成
・充満率
・回転条件
・原料特性
によって、結果が大きく変化します。
フィッシュアイは単なる外観不良ではなく
【内部で何が起きているかを示す重要なサイン】
とも言えます。
現象だけを見るのではなく、混錬の考え方から見直す事が
根本改善への近道です。






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