二軸押出機で生分解性樹脂を加工する際の温度設定例!分解を防ぐ為の基本ポイントを解説
- n6nomura
- 6月23日
- 読了時間: 3分
生分解性樹脂のコンパウンドや押出加工では、
【温度設定】が製品品質を大きく左右します。
一般的なポリオレフィン樹脂(PPやPE)の感覚で
温度を上げすぎると、樹脂の分解や黄変、臭気発生、
物性低下に繋がる事があります。
特にPLAやPBS、PBAT等の生分解性樹脂は熱履歴の影響を
受けやすい為、適切な温度プロファイルの設定が重要です。
今回は、二軸押出機で生分解性樹脂を加工する際の
温度設定の考え方と代表的な設定例をご紹介します。
■生分解性樹脂はなぜ温度管理が重要なのか?
●生分解性樹脂の多くはエステル結合を持っています。
その為、
・熱
・水分
・滞留時間
の影響によって分子鎖が切断されやすい特徴があります。
※温度が高すぎる状態で長時間滞留すると、
・分子量低下
・溶融粘度低下
・強度低下
・黄変
・焦げ
等のトラブルが発生ます。
その為、【必要以上に温度を上げない】
事が基本となります。
■PLAの温度設定例
●PLAは最も代表的な生分解性樹脂です。
一般的なコンパウンドでは以下のような設定が
多く採用されています。
ゾーン 温度設定例
・ホッパー側 : 150℃~160℃
・Zone1 : 160℃~170℃
・Zone2 : 170℃~180℃
・Zone3 : 175℃~185℃
・ダイ : 180℃~190℃
※ポイントとして、PLAは200℃を超えると熱分解が
進みやすくなります。
その為、
・通常加工 : 180℃前後
・高流動が日宇町名場合: 190℃前後
を目安に設定するケースが多く見られます。
■PBSの温度設定例
●PBSはPLAよりも熱安定性が高く、加工性に優れています。
ゾーン 温度設定例
・ホッパー側 : 120℃~130℃
・Zone1 : 130℃~140℃
・Zone2 : 140℃~150℃
・Zone3 : 150℃~160℃
・ダイ : 150℃~160℃
※ポイントとして、PBSは比較的加工しやすい樹脂ですが、
・過度なせん断
・長時間滞留
には注意が必要です。
■PBATの温度設定例
●PBATは柔軟性が高くフィルム用途で多く採用されています。
ゾーン 温度設定例
・ホッパー側 : 130℃~140℃
・Zone1 : 140℃~150℃
・Zone2 : 150℃~160℃
・Zone3 : 160℃~170℃
・ダイ : 165℃~180℃
※ポイントとして、PBATは比較的広い加工温度領域を
持ちますが、温度を上げすぎると着色や臭気発生の
原因になる場合があります。
■フィラー配合時の温度設定
●セルロースやタルク、炭酸カルシウムなどを配合する場合は
注意が必要です。
フィラー投入によって溶融粘度が上昇する為、
【流れないから温度を上げよう】と考えがちですが、
これは必ずしも政界ではありません。
まずは、
・スクリュー構成
・回転数
・フィード量
を調整し、それでも必要な場合のみ温度を上げる事が重要です。
特にセルロース配合では熱劣化しやすい為、高温設定は
避けるべきです。
■温度設定よりも重要なこと
●実は生分解性樹脂の加工では、温度そのものよりも重要な
要素があります。
それが、【水分管理】です。
十分な乾燥が行われていない場合は、
適正温度で加工しても、
・分子量低下
・糸引き
・ペレット割れ
・物性低下
が発生します。
※その為、温度設定だけではなく、
・原料乾燥
・真空ベント
・滞留防止
も合わせて管理する事が重要です。
■まとめ
●二軸押出機で生分解性樹脂を加工する際は、
樹脂毎の適正温度域を理解する事が重要です。
一般的な目安としては、
・PLA : 180℃~190℃
・PBS : 150℃~165℃
・PBAT : 165℃~180℃
が多く採用されています。
ただし、生分解性樹脂は熱だけではなく水分にも敏感です。
温度を上げすぎない事はもちろん、
・十分な乾燥
・適切なスクリュー設計
・真空脱気
・滞留防止
を組み合わせる事で、安定したコンパウンド品質に繋がります。
生分解性樹脂の加工では、【高温で無理に流す】のではなく
【適正温度で優しく溶かす】という考え方が成功のポイントです。






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