樹脂にタングステンを配合して得られる物性
- n6nomura
- 4月3日
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樹脂にタングステン(W)を配合すると、金属的な特性を付与しつつ
樹脂の加工性を生かした「高機能ハイブリッド材料」になります。
以下、出来るだけ細かく整理致します。
■樹脂×タングステン(W)で得られる物性
①高比重化(超高密度化)
・タングステンは金属の中でも最も比重が大きい材料(約19.3)
・樹脂に数十%混ぜるだけで比重が3~11程度まで重くできる。
・代替用途としては
鉛フリーのウェイト材、振動吸収ウェイト、バランス調整部材。
※ポイント
・同じ体積なら鉄系よりも圧倒的に重い→コンパクトなウェイト設計が可能。
②X線、Y線の遮蔽性(放射線遮蔽)
・タングステンは原子番号74の高Z材料 →X線やY線を強く吸収。
・樹脂に混ぜると、鉛の代替遮蔽材になる。
・医療用、検査用の軽量化シールド部材に採用される。
※ポイント
・鉛より環境負荷が低い
・着色しやすく、形状自由度も高い
③耐熱性、熱変形温度の向上
・タングステン粉末は高い熱伝導を持ち、樹脂内部で局所的な
熱蓄積を防ぐ。
・結果として、HDT(熱変形温度)や使用温度域が向上。
※例
ナイロン、PBT 等では耐熱領域が+10~40℃向上する事も。
④熱伝導性、熱放散性の向上
・金属粉として熱の通り道を作る事で熱伝導性を改善。
・電子部品周辺のヒートシンク代替や放熱部品として機能。
※注意点
・タングステンは金属の中でも比較的熱伝導が低い(約174W/mk)
・銅や銀ほどは上がらない。
・それでも樹脂単体よりかは大幅向上。
⑤難燃性の向上
・タングステンは不燃性で、かつ熱容量が大きい為、樹脂の燃焼を
抑制する効果を持つ。
・ハロゲンフリー難燃の補助材として利用可。
⑥寸法安定性、剛性の向上
・金属粉が充填材として働き、線膨張係数(CTE)が低下
剛性(曲げ弾性率)が上昇、クリープ性が改善。
・成形後の寸法変化が少ない
⑦振動吸収性(ダンピング特性)の向上
・高密度化+粉末の内部摩擦により、振動減衰(ダンピング)
が高い樹脂になる。
・音響部品、精密機器のブレ低減 等に利用。
⑧電磁波遮蔽効果(EMIシールド)
・金属粉を甲充填すると、樹脂内部に導電パスが形成され
電磁波の反射、吸収能力が向上。
・電子部品の外装 等で使用
※捕捉
導電性は鉄、銅程ではない為、EMI目的の場合は
粒径や配合量設計が必要
⑨成形性の変化
・メリット
→高比重により成形品表面の金属感、高級感を演出できる。
・デメリット
→流動性低下(粘度上昇)
→摩擦性が高く金型に負荷(硬質粉の為)
→高充填ではブリードや離型不良のリスク






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