樹脂に合成紙を配合して得られる物性
- n6nomura
- 3月22日
- 読了時間: 3分
樹脂に合成紙を配合すると、「フィラー+機能材」の中間的な扱いとなり
設計次第ではかなり面白い特性が得られる可能性がございます。
■樹脂に合成紙を配合する事で得られる物性
合成紙とは主に、PPベース+無機フィラー(炭酸カルシウム 等)+延伸構造
で作られた多層構造シートです。
つまり、「軽量、白色、空隙構造有りの複合体」
これを粉砕して樹脂に配合すると以下のような効果が得られます。
①軽量化(比重低減)
・合成紙内部の微細空隙により
・樹脂単体より密度が下がる
●効果
・PPに対してさらに軽量化可能
・発泡程ではないが「セミ軽量化」になる
※注意点
・過剰配合で強度低下
②剛性UP(曲げ弾性率向上)
・無機フィラー成分(CaCO₃)による補強効果
●結果
・曲げ剛性UP
・変形しにくくなる
※傾向
・タルクや炭カルに近いが「軽量より」
③白色性、隠蔽性の向上
・合成紙は非常に白い(高反射)
●結果
・着色なしでも白色化
・顔料削減(コストメリット)
・印刷用途にも向く
④表面マット性、質感向上
・微細空隙+延伸構造由来
●結果
・梨地、マット感
・高級感ある外観
・光沢低減
※用途
・意匠部品
・パッケージ系
⑤衝撃特性(ケースにより変化)
●こちらは設計がポイントです。
・パターンA(良好分散)
→微細空隙がクラック進展を抑制
※衝撃性やや向上 or 維持
・パターンB(凝集、界面弱い)
→異物界面で破壊起点
※衝撃強度低下
●対策
・相溶化剤(PPならMAH変性 等)
・粒径制御
⑥吸音性、制振性
●空隙構造が振動エネルギーを吸収
・結果
→異音低減
→防音効果(軽度)
※用途
・家電筐体
・自動車内装
⑦寸法安定性(熱収縮抑制)
●無機成分+構造体の影響
・結果
→成形収縮率低下
→反り低減
⑧印刷適正、インク密着性(副次効果)
●表面に微細凹凸がでる。
・結果
→インク乗り向上
→コーティング不要になる場合も
■デメリット及び注意点
●界面相溶性
・基材がPP意外だと相性が悪い
※例
→PE : △
→ABS、PP : ×(基本)
●粉砕状態で機能が大きく変化
・フレークVSパウダーで挙動が違う
※ポイント
→量刑が粗い : 異物化しやすい
→微細 : 均一化しやすい
●熱履歴による構造崩壊
・延伸構造が溶融で壊れる
※結果
→空隙消失 : 軽量効果現象
→炭カル炭カルフィラー化
※対策
→定温混錬
→滞留時間短縮
●強度低下(特に引張、衝撃)
・過剰配合で顕著
※目安
→10~30wt%あたりが現実的レンジ
■相性の良い樹脂
・PP : 最適
・PE : ある程度OK
・バイオPE、リサイクル樹脂 : 用途拡張
※特に「PP+合成紙粉砕材」は相性が良く
リサイクル材としても成立しやすい。
■面白い応用アイデア
・軽量+白色 : 家電内装材
・マット外観 : 高級パッケージ樹脂
・リサイクル : 環境訴求材料
・吸音 : 車内トリム






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