樹脂に木粉を配合して得られる物性
- n6nomura
- 3月19日
- 読了時間: 2分
樹脂に木粉(ウッドフラワー/木質フィラー)を配合すると単なるフィラー以上に
「天然由来の機能材」として多方面な物性変化が起きます。
以下、実務的に細かく整理致します。
■樹脂に木粉を配合する事で得られる物性
■基本コンセプト
●木粉は「軽量、多孔質、親水性」を持つセルロース系材料で
樹脂とは性質は大きく異なります。
その為、補強、軽量化、機能性付与、デメリットの混在が特徴です。
①機械特性への影響
●剛性
・大きく向上
・繊維質構造により「骨格補強効果」
・タルクよりも「ナチュラル系で剛性up)
※家電、建材用途で多用
●強度
・引張強度: やや低下~横ばい
・衝撃強度: 低下しやすい
※理由としては、界面接着が弱い、応力集中が起きやすい
改善策としては、カップリング剤(例:シラン、MAH変性PP)で向上
●伸び
・大きく低下
※木粉が割れの起点になる為
②熱特性
●耐熱性
・200℃前後で劣化開始
・木粉が先に炭化、分解
※注意点としては、高温樹脂(PP、PPS)には不向き
③密度、軽量性
・低下(軽量化)
・木粉密度: 約1.3~1.5
※比重の低い充填剤として有効
④寸法安定性
●成形収縮については低減、フィラー効果で変形しにくい。
・吸水による寸法変化
→大きくなる(注意点)
→木粉は吸湿性が高い
※対策としては、表面処理、防水添加剤
⑤外観、意匠性
●質感
・木質感、ナチュラル外観
・高級感、温かみ
※WPC(Wood Plastic Composite)用途
●表面性
・やや粗くなる
・サンドブラスト的な質感
⑥加工性
●流動性
・低下(粘度上昇)
・高充填で顕著
●摩耗性
・比較的低い(無機フィラーより優しい)
・ガラス繊維よりは金型に優しい
※成形時の注意点
・水分管理が重要
・ガス発生(焦げ、焼け)
⑦環境、機能特性
●バイオマス性
・環境配慮材料
・CO₂削減アピール可
●断熱性
・向上(多孔質構造)
●吸音性
・やや向上
●生分解性
・木粉部分は分解
・全体では「半生分解」
⑧電気特性
●絶縁性
・やや低下
※吸湿でさらに低下
■よくある配合
・PP+木粉 (最も一般的)
・PE+木粉 (デッキ材)
・PLA+木粉 (バイオ系)
■メリットまとめ
・剛性UP
・軽量化
・コストダウン(フィラー効果)
・意匠性(木質感)
・環境訴求
■デメリットまとめ
・衝撃強度低下
・吸水、寸法変化
・界面接着が弱い
・高温に弱い
・流動性低下






コメント