海洋分解性プラスチックとは?生分解性プラスチックとの違いをわかりやすく解説
- n6nomura
- 6月30日
- 読了時間: 4分
近年、環境問題への関心が高まる中で、
【生分解性プラスチック】や【海洋分解性プラスチック】という
言葉を耳にする機会が増えています。
しかし、この2つは似ているようで実は大きく異なる特徴を持っています。
【生分解性プラスチックなら海でも分解する】と思われがちですが、
それは必ずしも正しくはありません。
本記事では、海洋分解性プラスチックと生分解性プラスチックの違い、
それぞれの特徴や用途、開発時の注意点についてわかりやすく解説します。
■海洋分解性プラスチックとは?
●海洋分解性プラスチックとは、海水中に存在する微生物の働きによって
最終的に水と二酸化炭素(または酸素が少ない環境ではメタン)へ
分解されるプラスチックです。
海洋中は陸上に比べて、
・微生物の種類が少ない
・水温が低い
・酸素濃度が低い
・紫外線が届きにくい
等、分解には非常に厳しい環境です。
その為、海洋分解性プラスチックは通常の生分解性プラスチック
よりも高い分解性能が求められます。
■生分解性プラスチックとは?
●生分解性プラスチックとは、微生物によって最終的には水・二酸化炭素
・バイオマスへ分解されるプラスチックの総称です。
ただし、重要なのは【どこで分解するか】です。
多くの生分解性プラスチックは、
・コンポスト
・土壌
・高温多湿環境
では分解しますが、海ではほとんど分解しないものも多く存在します。
※生分解性=海洋分解性ではありません。
■海洋分解性と生分解性の違い
項目 生分解性プラスチック 海洋分解性プラスチック
・分解場所 : 土壌・コンポスト 等 : 海水中
・分解条件 : 比較的分解しやすい : 非常に厳しい
・微生物 : 土壌微生物 : 海洋微生物
・用途 : 包装材・農業資材 等 : 漁具・海洋用途・海岸用途 等
・開発難易度 : 比較的低い : 非常に高い
※海洋分解性は、生分解性プラスチックの中でも特に厳しい性能が
求められる材料と言えます。
■海洋分解性プラスチックの代表例
●現在開発・実用化されている代表的な材料には、
・PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)
・一部のPBS系材料
・PBSAの一部グレード
・セルロース系材料
等があります。
※一方、PLA(ポリ乳酸)は生分解性プラスチックですが、
一般的な海水中では分解速度が非常に遅く、海洋分解性とは
言えないケースがほとんどです。
■海洋分解性プラスチックの用途
●現在期待されている用途は、
・漁網
・漁糸
・釣り具
・海洋ブイ
・養殖資材
・海岸で使用する包装材
・海洋レジャー用品
※特に、海洋へ流出する可能性が高い製品では、大きな期待が
寄せられています。
■コンパウンド開発での注意点
●海洋分解性材料をコンパウンド化する際には、
・過度な熱履歴を与えない
・加水分解を防ぐ乾燥条件
・フィラーとの相溶性
・添加剤による分解性への影響
・成型加工性とのバランス
を十分検討する必要があります。
※また、無機フィラーや難分解性添加剤を多量に配合すると
本来の海洋分解性能が低下する可能性もある為注意が必要です。
■今後の市場動向
●世界的に海洋プラスチック問題への対策が進む中で
海洋分解性プラスチック市場は今後もさらに拡大すると
予想されています。 特に、
・漁業
・水産業
・海洋レジャー
・包装分野
では需要が高まり、新しい材料開発やコンパウンド技術の
重要性もますます高まっていくでしょう。
■まとめ
●海洋分解性プラスチックは、生分解性プラスチックの一種ですが
【海で分解できる】という厳しい性能を備えた特別な材料です。
一方、生分解性プラスチックだからと言って、必ず海洋で分解する
わけではありません。
用途や使用環境に応じて適切な材料を選定する事が重要であり
今後は材料設計だけでなく、コンパウンド技術や成形技術も
製品性能に左右する重要な要素になります。
N.6株式会社では、生分解性樹脂や海洋分解性樹脂を用いた
二軸混練コンパウンド試作、材料開発のご相談を承っております。
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