ブロー成形

ブロー成形とは、溶融した樹脂の内側から空気を吹き込み樹脂を膨らませる

事で製品を成形する方法です。

ブロー成形の【ブロー】とは英語の【Blow（吹く）】というワードに由来し

古くからあるガラス製品の製造技術を応用した成形方法となります。

ブロー成形による樹脂製品の需要は高く、ブロー成形の技術も発達している

事から現在は複数種類の成形方法があります。

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①押出ブロー成形

押出ブロー成形とは、加熱した樹脂を押出してパリソンを成形したあと

冷却せず温かいうちに直接空気を吹き込んで成形する方法です。

パリソンを冷却・固化させずにそのまま成形する事から

【ダイレクトブロー成形】とも呼ばれます。

また、射出成形したパリソンを熱が残った状態でそのままブロー成形

する方式を【ホットパリソン式】と言います。

横方向や下方向から吹き込んで成形する方法存在しますが、空気を

吹き込む方向は上方向が一般的です。

押出ブロー成形は、パリソンを効率的に生産できる事から、大量生産

に向いている事がメリットです。

押出ブロー成形は、古くから用いらていますが、現代においても

​食品容器や試薬容器　等幅広い容器の成形に活用されています。

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​②射出ブロー成形

射出ブロー成形とは、有底パリソンを射出成形したあと射出成形用

の金型から取り出し、ブロー用の金型へ移してから空気を吹き込み方法です。

【インジェクションブロー成形】と呼ばれる事もあります。

射出ブロー成形は、成型品の底に接合跡が付かず、押出ブロー成形よりも

寸法精度の高い製品を量産出来る事がメリットです。

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③延伸ブロー成形

延伸ブロー成形とは、射出ブロー成形の工程に、ロッドの軸方向への

延伸と径方向への延伸を組み合わせた成形方法です。

樹脂を加熱した後、ブロー用の金型へ移して軸方向に延伸し

ブロー工程で膨張する際に径方向の延伸も加えます。

2種類の延伸をバランスよく組み合わせる事で、成型品の強度・透明性・

ガスバリア性　等を向上できる事が、延伸ブロー成形のメリットです。

ただし、通常の射出ブロー成形よりも樹脂の温度管理が重要なポイント

となります。

延伸ブロー成形は、強度・透明度　等を求められる食品容器・医療品容器・

・ペットボトル　等の製造に用いられています。

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④多層ブロー成形

多層ブロー成形とは、複数種類の樹脂材料を共押出しする事で多層化

したパリソンを使用し、空気を吹き込んで成形する方法です。

押出機で多層パリソンを成形し、再度加熱してから成形する為、基本的に

多層ブロー成形はコールドパリソン式となります。

複数の樹脂を用いて多層構造の成型品を作る事が出来る為、成型品の

強度向上や酸化・変質防止を図る事が可能です。

そうした特徴から、多層ブロー成形は酸素・紫外線・含有成分　等で

劣化や変質が見られやすい食品・調味料の容器・ガソリンタンク　等

によく用いられます。

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⑤3次元ブロー成形

3次元ブロー成形とは、コンピューター制御を活用した金型にパリソンを

流し込む事で、複雑な形状の製品が作れる成形方法です。

パリソンを押し出すヘッドの位置をコンピューター制御する事により

金型の形状に沿うようにしてパリソンを流し込む事が出来ます。

押出ブロー成形で複雑な形状の製品を成形した場合、バリやドローダウン

が発生します。

その点、3次元ブロー成形であれば、バリやドローダウンの発生を回避し

つつ高品質な製品を成形出来ます。

自動車の排気パイプやエアコンホースなど、湾曲や蛇腹のある複雑な形状の

​製造に3次元ブロー成形は活用されています。