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結晶性樹脂・非晶性樹脂

結晶性樹脂と非晶性樹脂

結晶性樹脂と非晶性樹脂の違い

結晶性樹脂と非晶性樹脂の違いについて、
結晶性樹脂は、樹脂の温度が低下する毎に分子運動がゆっくりと収まり
樹脂の温度が結晶化温度(Tc)まで低下し固化した時に、
【分子が規則定期に並んだ結晶部分】を持つものです。
非晶性樹脂は、樹脂の温度が結晶化温度(Tc)まで下がった時に、分子が
結晶部分を持たず、不規則に絡み合ったまま固化する樹脂の事を指します。

上記結晶性樹脂と非晶性樹脂の違いについて、

①透明性
非晶性樹脂の多くは、透明性・透過性がありますが、一方で結晶性樹脂は
透明性が低下します。
その理由は、結晶部分と非晶部分でそれぞれ屈折率が異なり、光が内部で
乱反射しています為です。
例外として、結晶性樹脂であるPETを用いているペットボトルは、結晶性樹脂
が結晶化をし始める温度付近で急速冷却すると、結晶化する時間が不足し
結晶化度が低下します。
​結晶部分を減らす事で、結晶性樹脂であっても透明性を担保する事が出来ます。
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②耐薬品性
結晶部分には薬品が入り込みにくい為、結晶性樹脂の多くは非晶性樹脂に比べ
耐薬品性が強い傾向になります。

③塗装・接着性
結晶性樹脂の多くは、結晶部分に薬品が入り込みにくい一方で、塗装性・
接着性が低下します。
結晶樹脂は、接着性の低さを活かして接着剤の容器や剥離フィルム 等に
使用されます。

④温度特性
樹脂は高温になると、分子運動しやすくなり、軟質(ゴム状態)になります。
一方で、温度が低下すると硬質(ガラス状態)になります。
この2つの状態の境目の温度を【ガラス転移点(Tg)】と言います。
ゴム状態からさらに高温になると、結晶性樹脂の結晶部分が流動し始め
液状になる温度を【融点(Tm】と言います。
非晶性樹脂は結晶部分を持たないないので下記図のように、融点はなく
​ガラス転移点のみ持ちます。
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​⑤寸法精度
結晶性樹脂の結晶部分は、液状では体積が増え、固化すると収縮して
体積が減少します。
​その為、ヒケ・ソリ 等の不良が発生する為、金型の設計には配慮が必要です。​

結晶性樹脂・非晶性樹脂・融点・ガラス転移点
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