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m-PPE樹脂
(変性ポリフェニレンエーテル)

変性ポリフェニレンエーテルとは、非晶性のエンジニアリングプラスチックである

ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂と他樹脂を混合したポリマーアロイの総称です。

PPE樹脂はガラス転移温度(TG)が約210℃の非晶性の樹脂です。

主鎖はベンゼン環をエーテル結合させている為、耐加水分解性に優れています。

また、吸水性が低く、比重が1.06と汎用エンジニアリングプラスチックの中でも小さいです。

線膨張係数も汎用エンジニアリングプラスチックの中で最小であり、寸法安定性に優れます。

また、電気特性も優れており、広い周波数範囲で誘電率・誘電正接を示します。

その他には、酸性・アルカリ性にも優れる等の特徴があります。

一方で、PPE樹脂単体では溶融時の粘度が高く成型加工性が悪い事、油等の芳香族炭化水素系

溶剤に影響を受けやすいといった欠点があります。

変性ポリフェニレンエーテルは、変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO・m-PPO)

と呼ばれる事もありますが、PPOは登録商標であり、一般名はPPEになります。

特徴

・耐熱性

 PPE樹脂はガラス転移点約210℃を有します。

・難燃性

 PPE樹脂は酸素指数(燃える為に必要な酸素量)が28と高く、難燃化しやすい樹脂です。

・低比重

 PPE樹脂の比重はエンジニアリングプラスチックの中でも最も低い1.06で、軽量な素材です。

・絶縁性

 PPE樹脂は体積低効率が高く、絶縁性に優れます。

・低吸水

 PPE樹脂は吸水率が低い樹脂です。

 変性PPE樹脂として、吸水による物性変化・寸法変化が小さい特徴があります。

・耐加水分解性

 変性PPEは優れた耐熱性を有しており、エステル・アミドといった構造を持たない為

 耐熱水性・耐加水分解性に優れています。

・耐酸アルカリ性

 変性PPEは、酸やアルカリに対しての耐性が強い特徴があります。

・低誘電率/低誘電正接

 PPE樹脂は広い周波数域に対し誘電率や誘電正接が小さく、温度や湿度の変化に

 影響されにくい特徴を有します。

 伝送損失を小さく抑えられる為、情報通信分野にも用いられています。

・低線膨張係数

 PPE樹脂は線膨張係数がエンジニアリングプラスチックの中で最も小さく

 成型収縮率が小さい樹脂です。

​ 寸法安定性・寸法精度に優れています。

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