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PPS樹脂
ポリフェニレンスルフィド

ポリフェニレンスルフィドとは、熱可塑性樹脂のうち、スーパーエンプラと呼ばれる

高性能エンジニアリングプラスチックの1つです。

ベンゼンと硫黄の化学構造で構成されています。

結晶性があり、耐熱性・耐寒性・耐薬品性 等に優れている事から様々な用途での

利用が広がっています。

メリット

・耐熱性が高い

 PPS樹脂には、高い耐熱性を持つ特徴があります。

 耐熱温度が220℃と、高温にも耐えられる為、熱を帯びやすく高温になりやすい

 部品に使用可能です。

 融点が280℃で自己消化性が高く、火災のリスクを抑えられます。

 耐寒温度も-20℃まであり、低温の環境下でも部品に影響を与えません。

・耐薬品性が高い

 PPS樹脂は、アルカリ性や弱酸性の薬品に耐性がある事もメリットの1つです。

 200℃以下の環境下においては、アセトンなどの有機溶剤と接触しても溶けません。

 また、油にも強いという特徴があります。

 一部の酸に溶けるものの、さまざまな溶剤や化学品、酸やアルカリの薬品に

 触れても変化してい特徴があります。

・寸法安定性が高い

 PPS樹脂は、電気を通しにくく絶縁性に優れています。

 温度100℃、湿度80%の環境下においても絶縁性が変わりません。

 誘電率・誘電正接が低く、周波数の変化を受けません。

 絶縁性があり安全性にも優れています。

・材料異方性が高い

 PPS樹脂は、材料異方性が高い事も特徴の1つです。

 剛性の高い繊維を添加した場合、繊維の性質に影響されて強度や弾性率などの

 機械的性質・成型収縮率・線熱膨張率 等が強化されます。

 結晶性であるPPS樹脂は、繊維状強化材や無機質フィラーの充填により

 さらに強度や性能が変化します。

・難燃性に優れている

 PPS樹脂は難燃性に優れている為、燃えにくく発煙性も低いという

 メリットがあります。

 材料の燃えやすさは酸素指数で表します。

 空気中の酸素濃度が約21%の為、21よりも酸素指数の数値が大きい材料は

 空気中では燃焼が続けられると見る事が出来ます。

 PPS樹脂は、酸素指数34となっています。

デメリット

・衝撃への耐性が低い

 PPS樹脂は、瞬間的にかかる強い力には耐性が低いというデメリットがあります。

 熱や一定の荷重には耐性があるものの、衝撃への耐性には優れていません。

 その為、高所から落下する可能性が高い機器の使用には不向きです。

 衝撃への耐性の低さは、PPS樹脂にガラス繊維を混ぜる事で補強が可能です。

・摩耗に弱い

 PPS樹脂は、摩耗への耐性が低い事もデメリットとなります。

 機械の作用による摩擦や研磨による表面が減少する摩耗は、製品の寿命にも

 影響を及ぼします。

 材料が摩耗すると、歯車やベアリングの噛み合わせが悪くなったり、

 部品が破損したりします。​

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