ベントアップが起こる原因とは?二軸押出機で発生する代表トラブルを解析!
- n6nomura
- 4 日前
- 読了時間: 4分
二軸押出機で試作や量産を行っていると、
「ベントから材料が噴き出す」
「粉や樹脂が噴き上がる」
といった、【ベントアップ】のトラブルに遭遇する事があります。
ベントアップは単なる汚れや作業低下だけなく
・脱気不良
・樹脂焼け
・異物混入
・フィッシュアイ
・生産停止
等、品質不良へ直結するケースも少なくありません。
特に高充填配合や低粘度樹脂、揮発分を含む材料では発生しやすく
原因を正しく理解しておくことが重要です。
本記事では、二軸押出機でベントアップが起きる代表的な
原因と対策について、現場目線でわかりやすく解説します。
■ベントアップとは?
●ベントアップとは、押出機のベント口(脱気口)から、
・樹脂
・粉体
・ガス
・オイル成分
・未溶融物
等が吹き上がる現象です。
※本来ベント部は、【ガスと水分だけを抜き場所】ですが
条件が悪いと樹脂まで巻き上がり、装置汚れや品質異常に繋がります。
■ベントアップが起きる主な原因
①充満率が高すぎる
●最も多い原因の一つです。
ベント部でスクリュー内が樹脂で満杯になると
ガスの逃げ場がなくなり、圧力によって樹脂が吹き上がります。
特に以下の条件で発生しやすくなります。
・吐出量が多い
・回転数が低い
・過度な混錬
・ニーディングが強すぎる
※よくある現場例
・生産性を上げた瞬間にベントアップ
・スクリュー変更後に発生
・高トルク条件で急増
②溶融が早すぎる
●ベント前で完全溶融してしまうと、樹脂が流動化しすぎて
ベント側に巻き上がりやすくなります。
発生しやすい条件としては、
・シリンダー温度が高すぎる
・樹脂粘度が低い
・L/Dが長い
・前半混錬が強い
※対策
・前半温度を下げる
・フィード部を冷却する
・溶融位置を後ろへずらす
③ガス発生量が多すぎる
●材料から大量の揮発分が発生すると、ベントから
一気に噴き返します。
主な原因として、
・含水
・溶剤残り
・添加剤揮発
・熱分解ガス
・劣化材料使用
※特にリサイクル材や生分解性樹脂では発生しやすい
傾向があります。
④スクリュー構成が合っていない
●ベント前後のスクリュー設計が不適切だと、樹脂シールが
崩れたり、逆流が起きてベントアップに繋がります。
代表例として、
・ニーディング過多
・搬送不足
・逆ネジ不足
・シール構成不足
※現場で多いケース
【混錬を強くしたらベントアップした】
これは非常に良くあります。
混錬を強くすると、充満率が上がりガス抜けが悪化する為です。
⑤真空引きが強すぎる
●意外と見落とされる原因です。
真空度を上げすぎると、樹脂表面まで吸い上げてしまい
ベントアップが悪化する場合があります。 特に、
・低粘度樹脂
・発砲系
・オイル添加系
では注意が必要です。
■ベントアップ時の確認ポイント
●トラブル発生時は、以下を順番に確認すると
原因が特定しやすくなります。
確認事項 チェック内容
・吐出量 : 急に増えていないか
・回転数 : 低すぎないか
・温度 : 前半オンj度が高すぎないか
・原料 : 含水や劣化はないか
・スクリュー : 混錬過多になっていないか
・真空度 : 強すぎないか
・ベント位置 : 溶融位置と合っているか
■ベントアップを防ぐ基本対策
●条件面
・回転数を上げる
・吐出量を下げる
・温度を下げる
・フィード安定化
●設備面
・ベント深さ変更
・真空調整
・サイドフィーダー追加
・フィード位置変更
※ベントアップは【一つだけが原因】のケースは少なく
・材料
・温度
・スクリュー
・供給量
・真空
等が、総合的に絡むことが多いです。
■まとめ
●ベントアップは、二軸押出機で非常に多いトラブルの一つです。
特に原因として多いのは
・充満率過多
・過度な混錬
・溶融位置のズレ
・揮発分過多
・真空条件不適合
重要なのは、【なぜベントで樹脂が上がるのか?】を
【樹脂の流れ】と【ガスの逃げ場】の両方から考える事です。
単純に温度だけ下げても改善しないケースは多く
スクリュー構成や充満率まで含めた総合的解析が
必要になります。
ベントアップに悩んでいる場合は、条件だけでなく
・溶融状態
・スクリュー構成
・ガス発生源
を総合的に確認する事が、改善への近道になります。






コメント