樹脂にグラフェンを配合して得られる物性
- n6nomura
- 3月24日
- 読了時間: 3分
樹脂にグラフェンを配合すると、一般的なフィラー(炭酸カルシウム、タルク 等)
とは異なり、電気、熱、機械特性を同時に大きく向上させることが出来ます。
グラフェンは炭素原子が1層のシート状(2D構造)になったナノ材料で、
非常に高性能なフィラーです。
以下、得られる物性を細かく整理します。
■樹脂にグラフェンを配合する事で得られる物性
①機械強度の向上
●グラフェンは鋼鉄の約100~200倍の強度を持つ為
樹脂の補強材として非常に優れています。
・主な効果
→引張強度向上
→曲げ強度向上
→弾性率(剛性)向上
→耐摩耗性向上
→耐疲労性向上
・例
→PA
→PP
→ABS
等に数%配合すると、10~15%程度の強度向上が期待できる。
②電気導電性の付与(導電性)
●グラフェンの最大の特徴の一つが非常に高い電気伝導性です。
・得られる機能
→導電性樹脂
→静電気防止
→帯電防止
→EMIシールド
・用途例
→電子機器筐体
→半導体トレー
→バッテリー部材
※カーボンブラックより少ない添加量で導電化できるのが特徴です。
③熱伝導性の向上
●グラフェンは非常に高い熱伝導率(3000~5000W/mk)を持ちます。
・効果
→放熱性能向上
→熱拡散性向上
→ヒートシンク用途
・用途
→LED部品
→電子機器筐体
→EVバッテリー部材
④ガスバリア性の向上
●グラフェンは原子レベルで緻密な構造なので、ガスが通りにくいです。
・得られる特性
→酸素バリア性向上
→水蒸気バリア性向上
→腐食防止
・用途
→食品包装
→防湿材料
⑤摩擦、摺動性向上
●グラフェンは層状構造で滑りやすい為、潤滑効果があります。
・効果
→摩擦係数低下
→摺動性向上
→耐摩耗性向上
・用途
→ギア
→軸受
・摺動部品
⑥軽量化
●グラフェンは非常に軽いフィラーです。
・効果
→強度を上げながら重量増加が少ない
・用途
→自動車部品
→ドローン
→航空機材料
⑦難燃性向上
●グラフェンは炭素層が熱遮断バリアとして働きます。
・効果
→燃焼速度低下
→炭化層形成
→難燃性向上
※難燃剤と併用するケースが多い。
⑧紫外線耐久性向上
●グラフェンはUV吸収効果があります。
・効果
→紫外線劣化抑制
→耐候性向上
・用途
→屋外樹脂部品
→コーティング
⑨EMI(電磁波)シールド
●グラフェンは電気伝導性が高い為、電磁波シールド、ノイズ対策
に高い効果を持つ。
・用途
→通信機器
→電子機器筐体
■添加量の目安
添加量 効果
・0.1~1% : 導電性発言
・1~3% : 強度、熱伝導改善
・3~5% : 高機能化
※分散が非常に重要
■デメリット
●実際にコンパウンドでは課題もあります。
・分散が難しい
・凝集しやすい
・価格が高い
・黒色になる
※その為
・マスターバッチ化
・表面処理
等で、使用される事が多いです。






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