樹脂にシリカを配合して得られる物性
- n6nomura
- 5 日前
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樹脂にシリカ(SiO₂)を配合すると、フィラーとして様々な物性が向上します。
以下に、出来るだけ細かくまとめます。
■樹脂にシリカを配合する事で得られる物性
※シリカは、球状(スフェリカル)、沈降法、溶融法(フュームド)、表面処理品
等 多種類あり、タイプによって効果が少し異なります。
以下は共通して得られる主な物性です。
①機械特性の向上
・引張強度の向上(特に球状シリカ)
→シリカが補強材として働き、樹脂の骨格を強化する事で
引張強度、曲げ強度、弾性率が向上します。
・剛性(ヤング率)の向上
→無機材料であるシリカは硬度が高く、添加量に比例して
剛性UP(硬くなる)効果が大きいです。
・圧縮強度の向上
→エポキシや熱硬化樹脂で顕著で、圧縮強度、クリープ性改善
が起こります。
②寸法安定性の改善
・低線膨張比(CTE低減)
→シリカのCTE(熱膨張係数)は樹脂よりも非常に低い為
配合すると樹脂の熱膨張が抑制され、精密成型品に有利になる。
・成形収縮の抑制
→収縮を均一化し、反り、変形の低減、寸法ばらつきの低減に繋がります。
③耐熱性の向上
・ガラス展移転(Tg)の上昇(特に溶融シリカ)
→樹脂の分子運動をシリカが妨げる為
Tgが数℃~数十℃上昇する場合もあります。
・熱変形温度(HDT)の向上
→補強効果によって高温化での剛性維持が期待できます。
④電気特性の改善
※電子材料で特に重要
・誘電率の低下
→特に溶融シリカ(フュームドシリカ)は極めて低誘電率であり
樹脂の誘電率を下げられます。
・誘電正接(Df)の低減
→高周波特性、絶縁特性が向上
・絶縁破壊強度の改善
→無機フィラーがアーク進展を妨げる為、絶縁性が
高くなる効果があります。
⑤耐候性、耐薬品性の向上
・紫外線劣化を抑制
→シリカはUVを散乱し、樹脂の黄変、劣化を抑える働きがあります。
・耐薬品性の向上
→シリカは化学的に安定で、酸、アルカリに強く、溶剤で膨張しにくい為
樹脂全体の耐薬品性が向上します。
⑥流動性、成形性への影響
※これは長所にも短所にもなります。
・(表面処理シリカ使用時) 流動性の改善
→疎水化処理されたシリカは分散が良く、粘度上昇を抑えて
加工性を保つ事が出来ます。
・(未処理シリカ) 粘度上昇、成形性の悪化
→比表面積が大きいものほど粘度が上がりやすく
成形圧が必要になります。
⑦摩擦、摩耗特性の向上
・摩擦量低減
→硬いシリカが補強材となり、摩擦摩耗が減り
耐摩擦性が向上します。
・表面硬度の向上
→特に透明樹脂に添加すると表面の擦り傷に強くなる
(耐スクラッチ性向上)効果が出ます。
⑧光学特性への影響(透明性維持も可能)
・微粒(サブミクロン・ナノ)シリカ
→粒径を小さくし屈曲率を整えると
透明性をほぼ損なわず補強できる。
・通常粒径では白濁化
→粒径が大きいと光散乱で白色かします。






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