二軸押出機で温度を上げすぎると何が起きる?樹脂劣化・ガス・焼けの原因を解説
- n6nomura
- 4 日前
- 読了時間: 4分
二軸押出機の運転では、「温度を上げれば流れやすくなるから安定する」
と考えがちです。
しかし実際には、温度を上げすぎる事で様々なトラブルが発生します。
例えば、
・樹脂の黄変
・ガス発生
・異臭
・トルク変動
・フィッシュアイ
・強度低下
等は、過加熱が原因になっているケースが多いです。
特にコンパウンドやフィラー高充填、添加剤配合では
温度管理が品質に直結します。
この記事では、二軸押出機で温度を上げすぎた際に発生する
現象と、その確認ポイントについてわかりやすく解説します。
■温度を上げすぎると起こる代表的なトラブル
①樹脂の熱劣化が発生する
●最も代表的なのが【熱劣化】です。
樹脂は必要以上に熱を受けると分子構造が壊れ
性能が低下します。
特に、PPやPEなどは、過加熱によって酸化劣化しやすく
・黄変
・黒点
・異臭
・強度低下
等が発生します。
※よくある症状
・ペレットが茶色っぽい
・焦げ臭い
・成型時に銀条が出る
・物性が安定しない
こうした症状がある場合は、シリンダー温度だけでなく
実際の樹脂温度を確認する事が重要です。
②ガス・フュームが増える
●温度を上げすぎると、樹脂や添加剤が分解しやすく
ガスやフュームが大量に発生します。
特に以下の材料では注意が必要です。
・難燃剤
・発砲系添加剤
・セルロース系材料
・生分解性樹脂
・水分を含みやすい材料
※ガス量が増えると
・ベントアップ
・吐出不安定
・ペレット内部の気泡
・スクリュー内圧変動
等の原因となります。
ベント口から煙が大量に出る場合は、単純な水分だけでなく
【熱履歴過多】も疑う必要があります。
③粘度が下がりすぎて混錬不良になる
●温度を上げると樹脂は柔らかくなります。
一見すると混ざりやすそうですが、実は粘度が下がりすぎると
混錬性能が落ちる事があります。
理由は、せん断力が弱くなるためです。 特に
・フィラー分散
・顔料分散
・CNF分散
・ガラス繊維分散
等では、適度な粘度が必要です。
※温度を上げすぎると
・分散不足
・フィッシュアイ
・強度低下
に繋がる事があります。
④スクリュー内で滞留・焼けが起きる
●高温状態では、一部の樹脂がスクリューやシリンダー内部に
付着しやすくなる事があります。
その付着物が長時間残る事で、
・炭化
・黒点
・焼け異物
となって製品中に混入します。
特に、停止後の再立ち上げ時に黒点が大量発生する場合は
内部滞留を疑うべきです。
⑤添加剤が壊れる・飛ぶ
●添加剤には熱に弱いものも多く存在します。
例えば、
・酸化防止剤
・滑剤
・香料
・発泡材
・一部難燃剤
等は、高温で分解、揮発する場合があります。
※結果として
・本来の性能が出ない
・異臭
・ガス増加
等に繋がります。
【樹脂は問題ないのに製品が不安定】という場合、
添加剤の熱劣化が隠れているケースもあります。
■温度を確認する時の重要ポイント
●シリンダー温度だけを見ない!!
実際には、
・スクリュー回転
・せん断発熱
・充填率
・背圧
・滞留時間
によって樹脂温度は大きく変化します。
設定180℃でも、実樹脂温度が220℃近くになっている
事もあります。
※その為重要なのは、【設定温度】ではなく
【実際に樹脂へどれだけ熱が入っているか】
を考える事です。
■温度上げすぎを防ぐ為の考え方
●温度だけで流そうとしない!!
押出が重い時に、すぐに温度を上げたくなりますが、
・スクリュー構成
・回転数
・供給量
・滞留
・ベント性能
を見直す事も重要です。
特に、二軸押出機では【温度を上げれば解決】ではなく
【適切なせん断と搬送で安定化させる】という考え方が
重要となります。
■まとめ
●二軸押出機で温度を上げすぎると、
・樹脂劣化
・黄変
・ガス増加
・フューム発生
・混錬不良
・黒点
・添加剤劣化
等、多くのトラブルに繋がります。
特にコンパウンドでは、単純なシリンダー温度だけでなく
・実樹脂温度
・せん断発熱
・滞留時間
まで含めて考える事が重要です。
【流れないから温度を上げる】だけでなく
【なぜ負荷が高いのか】を確認する事で、より安定した
混錬に繋がります。






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