樹脂にガラス繊維を配合して得られる物性
- n6nomura
- 3月5日
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樹脂にガラス繊維(GF :Glass Fiber)を配合すると、樹脂単体では得られない
「高強度、高剛性、高耐熱」の物性が付与されます。
以下、メカニズムと物性向上のポイントをまとめます。
■樹脂にガラス繊維を配合する事で得られる物性
①機械特性の向上
・引張強度の大幅向上
→樹脂単体の約1.5~3倍に向上。
→ガラス繊維はヤング率が高く(70~80GPa)、荷重を繊維が
受け持つ為、強度が向上。
・曲げ強度、曲げ弾性率の向上
→弾性率は3~5倍になる事もある。
→構造体としてのたわみが大幅に減り、剛性が必要な部品に最適。
・衝撃強度の改善(条件付き)
→長繊維GF → 衝撃強度UP。
→短繊維GF → 衝撃強度が低下する場合あり。
※繊維がクラックを止める働きが増えれば強くなる。
②熱特性の向上
・ガラス繊維が骨格として働き、高温時の変形を抑制
※例 PA66
・樹脂単体: HDT約70~80℃
・GF30% : HDT240℃超も可能
・連続使用温度の向上
→高温環境でも機械特性を保持。
→電飾品、エンジン周りの部品に使用される理由。
③寸法安定性の向上
・線膨張係数が大幅に減少
→ガラス繊維は熱膨張が小さい → 樹脂の変形を抑制。
→金属に近い寸法安定性を実現。
・クリープ特性の改善
→長時間荷重による変形(クリープ)が少ない。
→ベアリングハウジングやギアに適する理由。
④電気特性
・絶縁性の維持
→ガラス繊維自体も絶縁性を持つため。
→高強度が求められる電装品ハウジングに適合。
⑤耐薬品性、耐候性
・耐薬品性の改善(樹脂による)
→基本的にガラス繊維は薬品に強い。
→ただし、樹脂側の耐薬品性が支配する。
※例
PAは加水分解に弱いが、PBTは強い 等
・耐候性
→ガラス繊維自体は紫外線で劣化しにくい。
→反面、樹脂表面に露出しやすくなると外観劣化に繋がる事もあり。
⑥成形性、外観への影響(デメリットも含む)
・流動性低下
→GFが混ざると溶融樹脂の粘度が上昇。
・薄肉成形、薄膜化には不利になる事も。
・外観(表面の繊維浮き、銀条 など)
→GF30%以上で表面に繊維が目立つ可能性。
→外観品にはノンフィルやタルク系が適する。
・摩耗性の向上(摩擦に強くなる)
→金型やスクリューの摩耗が増える。
→耐摩耗対策(表面処理スクリュー)が必要。






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