樹脂にシリコーン粒子を配合して得られる物性
- n6nomura
- 1 日前
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樹脂にシリコーン粒子(シリコーンパウダー、シリコーンゴム粒子)を配合すると
主に「滑り性、離型性、耐摩耗性、触感改良」等の特性が向上します。
材料設計では比較的よく使用される添加剤です。
以下、物性ごとに細かく説明いたします。
■樹脂にシリコーン粒子を配合する事で得られる物性
①滑り性(低摩耗性)の向上
※シリコーンは表面エネルギーが非常に低い為、樹脂表面の摩擦係数を下げます。
・効果
→摩擦係数低下
→摺動性向上
→異音(きしみ)防止
・代表例
→POMギア
→PA摺動部品
・家電のスライド部品
・物性変化例
→動摩擦係数 : 0.4→0.15~0.25程度
②離型性の向上
※金型から製品が外れやすくなります。
・効果
→金型離型改善
→成形サイクル短縮
→成形不良低減
・改善する不良
→型離れ不良
→白化
→引きずり
③耐摩耗性の向上
※シリコーン粒子はやわらかい弾性粒子の為、摩耗時にクッションの
役割をします。
・効果
→摩耗量低減
→摺動寿命向上
→表面損傷防止
・用途
→ギア
→プッシュ
→摺動部材
④表面触感(タッチ感)の改良
※樹脂表面がサラサラ、しっとりとした感触になります。
・効果
→高級感UP
→ベタつき防止
→指紋付着低減
・用途
→スマホ外装
→家電外装
→化粧品容器
⑤耐スクラッチ性向上
※表面の傷付きが低減します。(弾性粒子が応力を吸収する為)
・改善
→スクラッチ白化低減
→外観品質向上
⑥耐衝撃性の向上(場合あり)
※ゴム粒子の為、衝撃エネルギーを吸収します。
・結果
→アイゾット衝撃強度改善
→クラック発生抑制
※ただし、配合量が多すぎると剛性が低下します。
⑦ブロッキング防止
※フィルムやシートでの貼り付き防止効果があります。
・効果
→フィルム同士の密着防止
→開封性改善
・用途
→包装フィルム
→シート
⑧撥水性向上
※シリコーンは撥水性の為、水を弾きます。
・効果
→防汚性向上
→水滴付着低減
⑨光沢調整(マット感)
※粒子が光を散乱させる為、光沢が下がります。
・効果
→マット外観
→高級外装
⑩耐熱性
※シリコーンは耐熱性が高い材料です。
耐熱温度 : 約200~250℃
その為、樹脂の耐熱安定性を若干改善する事があります。
⑪電気特性
※シリコーンは絶縁性が高いです。
・効果
→絶縁性維持
・電気部品適用可能
⑫加工性改善
※微粒子が内部潤滑剤の役割をします。
・結果
→トルク低減
→押出安定
→成形圧力低減
■代表的な使用樹脂
※シリコーン粒子は多くの樹脂で使用されています。
樹脂 目的
・PP : 滑り性
・PE : フィルム滑り
・PA : 摩耗低減
・POM : ギア
・PC : スクラッチ防止
・ABS : 触感改良
■配合量の目安
添加量 効果
・0.1~0.5% : 滑り改善
・0.5~2.0% : 摩耗改善
・2.0~5.0% : 触感改良
■デメリット
問題 内容
・塗装不良 : 表面にブリード
・印刷性低下 : インク密着低下
・接着性低下 : 接着剤が付きにくい
・剛性低下 : ゴム粒子の為
■よく使用される粒子
粒径
・1~3μ : フィルム
・3~10μ : 摺動
・10~20μ : 触感






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