樹脂にニッケル粉末を配合して得られる物性
- n6nomura
- 3月27日
- 読了時間: 3分
樹脂にニッケル(Ni)粉末を配合すると、一般的な無機フィラーとは
少し違い、金属特有の機能性が樹脂に付与されます。
特に導電性、電磁波シールド、耐熱性 等の機能材料として
使用されることが多いです。
以下、物性変化について整理します。
■樹脂にニッケル粉末を配合する事で得られる物性
①電気特性(導電性の付与)
●ニッケルは金属なので、樹脂に配合すると導電性が生まれます。
・体積低効率の低下
→樹脂単体 10¹³~10¹⁶ Ω・cm (絶縁体)
→ニッケル粉末配合 10⁰~10⁶ Ω・cm (配合量で変化)
・効果
→静電気防止
→帯電防止
→導電性樹脂
→EMIシールド材料
※一般的な配合量:30~70wt%
②電磁波シールド(EMIシールド)
●ニッケル粉末は磁性+導電性を持つ為、
電磁波対策材料として優秀です。
・シールドメカニズム
→電磁波反射
→電磁波吸収
→過電流損失
・典型用途
→電子機器ハウジング
→車載ECU
→5G機器
→通信機器
※シールド性能 30~80dB(配合量のよる)
③磁性付与(磁性材料)
●ニッケルは強磁性金属です。
・樹脂に配合すると、磁性樹脂、磁気センサー材料、電磁波吸収材
として利用できます。
※特徴
・磁気応答
・磁場吸収
・電磁波ノイズ低減
④熱伝導性の向上
●金属フィラーなので熱伝導性が向上します。
・熱伝導性
→樹脂 0.1~0.3 W/mk
→ニッケル配合 1~10 W/mk程度(高充填)
・効果
→放熱材料
→ヒートシンク補助
→電子部品冷却
⑤機械強度(剛性向上)
●金属粒子が配合される為、
・向上
→剛性
→圧縮強度
→耐摩耗性
→表面硬度
・低下
・伸び
→衝撃強度(場合あり)
※粉末が多いと脆化
⑥耐熱特性
●ニッケルは融点1455℃の耐熱金属
・効果
→熱変形温度向上
→高温寸法安定
→熱劣化抑制
・特に PA、PPS、PEEK 等のエンプラ
スーパーエンプラと相性が良い。
⑦寸法安定性
●金属フィラーなので
・収縮率低下
・反り低減
・成形寸法安定
⑧密度増加(重量付与)
●ニッケルは高密度金属です。
密度 ニッケル 8.9g/㎤
・効果
→比重増加
→重量バランス調整
→振動抑制
・用途
→ウェイト部品
→防振材料
⑨耐摩耗性
●金属粉体により耐摩耗性、摺動耐久性が向上します。
・用途
→軸受
→摺動部品
⑩電解めっき性
●ニッケル粉末が表面に露出するとめっき密着性が向上
・用途
→導電塗装下地
→電気接点部品
⑪ガスバリア性
●金属粉末が樹脂中に分散するとガス透過が低下
・酸素
・水蒸気
⑫電波吸収材料
●磁性金属なので
・電波吸収材
・ノイズ対策
に使用されます。
■主な用途
●ニッケル粉末配合樹脂は以下に多いです。
・電子機器
→EMIシールド部品
→コネクタ
・自動御社
→ECUケース
→センサー部品
・電磁波対策
→通信機器
・熱対策
→放熱樹脂
■配合の注意点
●分散が難しい
・ニッケル粉末は比重が重い為
→沈降
→分散不良
が起こりやすい。
●成形性低下
・充填量が多いと
→粘度上昇
→射出圧力増加
●摩耗
・金属粉末なので
→スクリュー摩耗
→金属摩耗
が起こる事があります。
■ほかの導電フィラーとの比較
材料 特徴
・カーボンブラック : 安価・導電
・グラファイト : 潤滑性
・銀粉 : 最高導電性(高価)
・銅粉 : 導電+熱伝導
・ニッケル紛 : 磁性+導電+EMI






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