樹脂にマイカを配合して得られる物性
- n6nomura
- 6 日前
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樹脂にマイカ(雲母)を配合すると、機械特性、熱特性、電気特性、外観性
等 多方面で機能向上が期待できます。
業界で一般的に知られているメカニズムに基づき、細かく整理致します。
■樹脂にマイカを配合する事で得られる物性
①寸法安定性の向上(特に収縮率の低減)
・マイカは薄い板状(フレーク状)の無機フィラーで、樹脂中で
層状に配向し、成形収縮を抑制します。
・異方性が少なく、タルクやガラス繊維よりも面内方向の
収縮ムラが小さい。
・高精度部品に向く。
②剛性(弾性率)の向上
・マイカの高弾性率、高硬度により樹脂コンパウンドのヤング率が上昇。
・ガラス繊維程ではないが、タルクより高い剛性を得やすい。
※効果の例
・成形収縮: 低減(特にPP、PAで顕著)
・反り : ガラス繊維と比べて大幅に低減
③耐熱性の向上
・マイカは無機で熱に強く、樹脂の熱変形温度(HDT)を高める。
・結晶化を推進する為、PA系ではTg及び機械強度の保持特性も向上。
※効果の例
・HDT: 無配合比で+10~30℃向上する場合もあり。
④熱膨張率(CTE)の低減
・板状フィラーが樹脂内で「骨格」として働き、CTEが低くなる。
・金属代替や高精度組立部品で有利。
⑤耐候性、耐UV性の向上
・マイカの層が光を散乱させ、UVの侵入を抑える為
表面劣化が抑えられる。
・PPやPE 等 非極性樹脂で効果が大きい。
⑥電気絶縁性の向上
・マイカは優れた電気絶縁材料であり、樹脂の絶縁耐力が向上し
耐アーク性の改善がみられる。
※効果の例
・体積低効率 : 上昇
・誘電率 : 安定化
・絶縁破壊強度: 向上
⑦難燃性の改善(補助効果)
・マイカは不燃性フィラーの為、難燃グレードの燃焼抑制補助剤
として働く。
・単体でUL-94の等級が取れる程ではないが、難燃剤の相乗効果がある。
⑧表面外観の改善(高級感、マット感の付与)
・マイカのフレーク構造により、表面に上品なマット感や光沢ムラのない
均一な外観を得られる。
・タルクよりも外観品向けとして評価されやすい。
⑨耐スクラッチ性の向上
・高硬度フィラーの為、表面の傷つきにくさが向上。
⑩耐薬品性の向上
・無機フィラーとして樹脂の薬品や溶剤への抵抗性を改善。






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