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樹脂に難燃剤を配合して得られる物性

  • n6nomura
  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

樹脂(プラスチック)に難燃剤を配合すると、主に「燃えにくくする」事が目的ですが、

実際にはそれ以外にも多くの物性変化が起こります。

材料設計ではかなり重要な添加剤です。

以下に、細かく整理致します。


■樹脂に難燃剤を配合する事で得られる物性


①難燃性(最も重要)

※最も大きな効果です。

・主な効果

→自己消化性の付与

→燃焼速度の低下

→燃焼の拡大防止

→燃焼時の滴下抑制


■代表的評価試験

・UL94燃焼試験

→ V-0

→ V-1

→ V-2

→ HB

※V-0が最も難燃性が高い


■メカニズム

※難燃剤は主に3つの作用をします。

1.ガス相難燃(燃焼ラジカル捕捉)

2.炭化層(チャー層)形成

3.吸熱分解(燃焼温度を下げる)



②発煙抑制

※難燃剤の種類によっては

・煙の発生量を低減

・有毒ガス低減


※特に、リン系、水酸化物系 で効果が高い。



③熱安定性向上

※燃焼温度に近い領域で

・熱分解温度の上昇

・熱劣化抑制

が起こる場合があります。

ただし、種類によっては逆に低下する場合もあります。



④炭化層(チャー)形成

※リン系難燃剤 等では表面に炭化層が形成されます。

 これにより

・酸素遮断

・熱遮断

・可燃ガス抑制

が起こります。



⑤熱伝導率の変化

※無機系難燃剤(多くは粉体)の場合

・水酸化マグネシウム

・水酸化アルミニウム

の充填量が多くなる為、熱伝導率向上が起こる事があります。



⑥機械物性の変化

※難燃剤は添加量が多いので、機械特性は大きく変化します。

・強度

→引張強度低下

→曲げ強度低下

※フィラー量増加の為


・剛性

→曲げ弾性率向上


・衝撃強度

→低下する事が多い



⑦流動性(成形性)

※難燃剤は通常10~60%添加される為

・溶融粘度上昇

・流動性低下

つまり、成形が難しくなる事が多い



⑧比重増加

※無機難燃剤の場合比重が増加します。

・例

材料    比重

・PP   : 0.9

・難燃PP : 1.2~1.6

※軽量化設定では注意が必要。



⑨電気特性

※種類によっては変化します。

・良い変化

→絶縁性向上


・悪い例

→誘電率増加

※電子部品では重要



⑩耐トラッキング性向上

※電気製品で重要

・絶縁破壊防止

・電気火災防止



⑪耐候性の変化

※難燃剤の種類によっては

・紫外線劣化

・変色

が発生します。 特に

・臭素系難燃剤

で起こる事があります。



■主な難燃剤の種類

 種類           特徴

・臭素系       : 少量で高難燃

・リン系       : 低煙、環境対応

・窒素系       : ハロゲンフリー

・水酸化アルミニウム : 吸熱分解

・水酸化マグネシウム : 高温難燃

・膨張型難燃剤    : チャー形成



■添加量の目安

 種類      添加量

・臭気系  : 5~20%

・リン系  : 10~30%

・水酸化物 : 40~60%



■難燃剤が使用される製品

・家電筐体

・電子部品

・自動車内装

・電線被覆

・建材






難燃剤、難燃剤配合プラスチックイメージ


 
 
 

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