フィルム透明性向上方法!透明度を高める為の原因と改善ポイントを徹底解説
- n6nomura
- 5 日前
- 読了時間: 4分
プラスチックフィルムにおいて透明性は
食品包装・医療用途・光学用途・工業用途 等
多くの製品品質を左右する重要な性能です。
しかし、実際のフィルム成形では、
・白っぽく濁る
・ヘーズ(曇り)が高い
・透明性が出ない
・ロットによって透明度が変わる
といったトラブルが多く発生します。
透明性は単純に【透明な樹脂を使えば良い】というものではなく
樹脂選定・結晶化・成形条件・冷却条件・添加剤・異物管理 等
様々な要因が複雑に関係しています。
今回は、フィルム透明性を向上させる為のポイントを
わかりやすく解説します。
■フィルム透明性とは
〇フィルム透明性とは、光がフィルム内部をどれだけ
まっすぐに通過できるかを表す性能です。
代表的な評価項目には、
・全光線透過率
・ヘーズ
・クラリティ
・光沢
があります。
一般的には、
・光線透過率が高い
・ヘーズが低い
ほど透明性は高いフィルムになります。
■透明性が低下する主な原因
①結晶化による白濁
〇最も多い原因です。
PPやPE 等の結晶性樹脂では、樹脂がゆっくり冷える事で
結晶が大きく成長します。
この結晶が光を乱反射させ、フィルムが白っぽく見えてしまいます。
※対策
・急冷する
・ロール温度を下げる
・結晶核剤を使用する
・高透明グレードを使用する
②ロール温度が高すぎる
〇キャストフィルムでは、冷却ロール温度が高いほど
結晶が成長しやすくなります。
その結果、透明性は低下します。
一般的には、ロール温度を適切に低く設定する事で
透明性が向上します。
ただし、
・内部応力
・カール
・密着不良
が発生する場合もある為、注意が必要です。
③樹脂の乾燥不足
・PET
・PA
・PC
等の吸湿樹脂では、水分による加水分解が起こると
透明性だけでなく強度も低下します。
十分な乾燥が重要になります。
④異物・ゲルの混入
〇フィルム内部に、
・未溶融樹脂
・焼け
・ゲル
・カーボン
・金属粉
等が存在すると、光が散乱し透明性が悪化します。
※改善策
・スクリーンメッシュの見直し
・シリンダー清掃
・パージ
・原料管理
・フィルター交換
⑤添加剤の影響
〇透明性は添加剤でも大きく変化します。
例えば、
・タルク
・ガラス繊維
・炭酸カルシウム
・難燃剤
等は透明性を低下させます。
一方、透明化剤(クラリファイヤー)や結晶核剤は
透明性向上に非常に高価があります。
⑥樹脂選定
〇同じPPでも、透明性はグレードによって大きく異なります。
例えば、
・ランダムPP
・高透明PP
・クラリファイヤー添加PP
では透明性が大幅に改善されます。
用途に応じた樹脂選定が重要です。
■成形条件の最適化
〇透明性向上には以下の条件最適化が重要です。
①シリンダー温度
〇適正な溶融状態を維持し、未溶融樹脂をなくします。
②ダイ温度
〇温度ムラは流動ムラを生み
透明性低下に繋がります。
③ライン速度
〇ライン速度を変更すると、
・冷却時間
・延伸時間
・分子配向
が変化します。
最適条件を見つける事が重要です。
④ロール圧
〇ロールへの密着不足は、微細な空気層を発生させ
透明性低下に繋がります。
■樹脂別の透明性
樹脂 透明性
・PET : ★★★★★
・PC : ★★★★★
・PMMA : ★★★★★
・PS : ★★★★
・PP(高透明) : ★★★★
・PP(ホモ) : ★★★
・LDPE : ★★★
・LLDPE : ★★
・HDPE : ★
※グレードや成形条件により変化します。
■透明性向上のチェックポイント
〇成形現場では次の項目を確認しましょう。
・原料は十分に乾燥しているか?
・異物やゲルは発生していないか?
・ロール温度は適正化?
・シリンダー温度にムラはないか?
・ダイ内の滞留はないか?
・スクリーンは適切か?
・高透明グレードを使用しているか?
・結晶核剤・透明化剤は最適化?
・冷却条件は適切か?
・ライン速度は最適化?
■まとめ
〇フィルムの透明性は、樹脂選定・結晶化剤・冷却条件
・成形条件・異物管理 等、複数の要素が組み合わさって
決まります。
特にPPやPE 等の結晶性樹脂では、ロール温度や冷却速度を
最適化する事が透明性向上の大きなカギになります。
また、透明化剤や結晶核剤の活用、高透明グレードの選定も
効果的です。






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