ロール温度の影響とは?フィルム・シート品質を左右する重要ポイントを徹底解説
- n6nomura
- 2 日前
- 読了時間: 3分
Tダイによるフィルム・シート成形では押出条件だけでなく
【ロール温度】も製品品質を大きく左右する重要な要素です。
【厚みが安定しない】【透明性が悪い】【反りや収縮が発生する】
【ロールに張り付く】などのトラブルは、ロール温度の設定が
原因となっているケースも少なくありません。
本記事では、ロール温度がフィルム・シートへ与える影響や
適正な考え方、トラブル対策について、わかりやすく解説します。
■ロール温度とは?
〇ロール温度とは、Tダイから押し出された溶融樹脂を
冷却・圧着する冷却ロール(チルロール)の表面温度の事です。
ロール温度は、
・冷却速度
・表面品質
・結晶化
・光沢
・寸法安定性
・残留応力
など、多くの品質項目に影響を与えます。
つまり、押出機の温度設定と同じくらい重要な管理項目と言えます。
■ロール温度が高い場合の影響
〇ロール温度を高めに設定すると、樹脂はゆっくり冷却されます。
※メリット
・表面光沢が向上する
・ロールマークが出にくい
・内部応力が少なくなる
・透明性が向上しやすい(PET・PC等)
・割れや反りが減少する
※デメリット
・冷却不足になりやすい
・巻取り時に変形しやすい
・ブロッキング(貼り付き)が起こる
・生産速度が上げにくい
・ロールへの付着が起こる場合がある
■ロール温度が低い場合の影響
〇ロール温度を低くすると急速に冷却されます。
※メリット
・生産速度を上げやすい
・寸法が安定しやすい
・巻取り性が向上する
・ベタつきが減る
※デメリット
・内部応力が残る
・反りや収縮は発生しやすい
・表面光沢が低下する
・白化する事がある
・ロールマークが付きやすい
・透明性が低下する場合がある
■樹脂毎のロール温度の考え方
樹脂種 ロール温度の考え方
・PP : やや高めで光沢・平滑性を確保
・PE : 比較的低温でも安定しやすい
・PET : 高めに設定し透明性を重視
・PS : 中温域が一般的
・ABS : 急冷しすぎると内部応力が増える
・PC : 高めでゆっくり冷却すると品質が安定
・PMMA : 高めで光沢を重視
■ロール温度が原因で起こる代表的な不良
〇代表的なトラブルには次のようなものがあります。
・厚みムラ
・ロールマーク
・フィッシュアイが目立つ
・光沢不良
・白化
・シワ
・反り
・カール
・ブロッキング
・寸法変化
・巻ズレ
・剥離不良(ラミネート品)
これらは、押出温度だけでなくロール温度や冷却バランスを
見直す事で改善できる場合があります。
■ロール温度を調整する際のポイント
〇ロール温度を変更する際は、一度に大きく変更せず
5~10℃程度ずつ調整しながら品質を確保する事が重要です。
また、
・押出量
・樹脂温度
・ラインスピード
・ロール圧
・エアーナイフ
・ロール間ギャップ
等も相互に影響する為、ロール温度だけで判断せず
成形条件全体をバランスよく最適化する事が安定した品質に繋がります。
■まとめ
〇ロール温度は、フィルム・シート成形において
品質・生産・寸法安定性を左右する非常に重要な管理項目です。
ロール温度が高すぎても低すぎても、不良や生産性低下の
原因となる為、樹脂特性や製品要求に応じた最適な設定が
求められます。






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