PLAコンパウンドで重要なスクリュー設計とは?分解を防ぎながら高品質ペレットを作るポイントを解説
- n6nomura
- 3 時間前
- 読了時間: 4分
PLA(ポリ乳酸)は代表的な生分解性樹脂として
注目されていますがコンパウンド加工においては、
一般的な石油樹脂とは異なる注意点があります。
特に重要なのが押出機のスクリュー設計です。
PLAは熱や水分に弱く、過度なせん断や滞留によって
分子量が低下しやすい為、スクリュー設計が適切でないと
・樹脂の分解
・黄変
・強度低下
・ペレット品質のバラつき
といった問題が発生します。
本記事では、PLAコンパウンドにおいて重要となるスクリュー設計の
考え方についてわかりやすく解説します。
■なぜPLAはスクリュー設計が重要なのか?
●PLAは融点がおよそ160℃~180℃であり、加工温度も
比較的低い樹脂です。
しかし一方で、
・熱履歴に弱い
・加水分解しやすい
・過度なせん断で分子量が低下する
という特徴があります。
その為、【しっかり混ぜる】事よりも【樹脂を傷めずに混ぜる】
事が重要になります。
石油樹脂で使用しているスクリューをそのまま適応すると
PLAが必要以上にダメージを受けるケースも少なくありません。
■PLAコンパウンドで求められるスクリュー設計
①過度なせん断を避ける
●PLAでは高せん断混練は必ずしも良い結果を生みません。
ニーディングディスクを多用すると、
・発熱増加
・滞留増か
・分子量低下
が発生しやすくなります。
その為、
・ニーディング枚数を減らす
・角度を穏やかにする
・搬送主体の設計にする
等の工夫が行われます。
②滞留時間を短くする
●PLAは長時間高温状態に置かれると分解が進行します。
その為、
・不要な逆流を減らす
・デッドスペースをなくす
・スムーズな樹脂流動を確保する
事が重要です。
※スクリュー設計では、
【十分な混合性能】と【短い滞留時間】
のバランスが求められます。
③フィラー分散とのバランスを取る
●PLAコンパウンドでは、
・炭酸カルシウム
・タルク
・セルロース
・木粉
・バイオマスフィラー
等を添加するケースがあります。
分散不足では品質不良に繋がりますが、混ぜすぎると
PLAが劣化します。
その為、
・必要最小限の混練
・分散効率の高いエレメント配置
が重要になります。
※経験上、フィラーの種類によって最適なスクリュー構成は
大きく変わります。
④脱揮ゾーンを適切に設ける
●PLAは微量の水分でも加水分解を起こします。
さらに、
・原料由来の揮発成分
・添加剤由来のガス
が発生する事もあります。
その為、
脱揮ゾーンを適切に設ける事で
・気泡防止
・異臭低減
・分子量低下抑制
に繋がります。
真空脱揮を活用するケースも多く見られます。
⑤サイドフィーダー位置も重要
●フィラーや天然素材を添加する場合
投入位置によって品質が大きく変わります。
早すぎる投入では、
・PLAへのダメージ増加
・フィラー破砕
・発熱増加
に繋がる場合があります。
※適切な位置で投入する事で
樹脂への負荷を抑えながら分散性能を確保できます。
■PLAコンパウンドでよくある失敗例
①スクリュー混錬が強すぎる
・分散量低下
・MFR上昇
・強度低下
②滞留時間が長い
・黄変
・黒点発生
・異臭発生
③脱揮不足
・ペレット気泡
・フィルム成形不良
・物性低下
④フィラー分散不足
・外観不良
・強度低下
・成形不安定
■まとめ
●PLAコンパウンドでは、単純に【よく混ぜる】
スクリュー設計ではなく、
【PLAを傷めずに必要な分散を得る設計 】
が非常に重要です。
重要なポイントは、
・過度なせん断を避ける
・滞留時間を短くする
・フィラー分散とのバランスを取る
・適切な脱揮を行う
・サイドフィーダー位置を最適化する
事です。
PLAは熱と水分に敏感な樹脂である為、スクリュー設計次第で
品質や物性が大きく変化します。
高品質なPLAコンパウンドを清掃する為には、材料特性を
理解した上で最適なスクリュー設計を選定する事が
成功の鍵となります。






コメント