ニーディングVSミキシングディスク!二軸押出機でどう使い分ける?混錬性能・樹脂ダメージの違いを徹底解説
- n6nomura
- 6月5日
- 読了時間: 4分
二軸押出機のスクリュー設計において、
【ニーディングディスク】と【ミキシングディスク】は
非常に重要な混錬要素です。
・なんとなくニーディングディスクを入れている
・混ざればどちらでも同じ
・違いがよく分からない
というケースも少なくありません。
ですが、この2つは
・分散性能
・樹脂へのせん断
・フィラー破壊
・発熱量
・滞留性
・フィッシュアイ発生
等に大きく違いを与えます。
特に、
・高充填配合
・ガラス繊維配合
・難燃配合
・熱に弱い樹脂
・フィッシュアイ対策
では、設定ミスが品質不良へ直結する事もあります。
今回は、二軸押出機で使用される
【ニーディングディスク】と【ミキシングディスク】の違いを
現場目線でわかりやすく解説します。
■ニーディングディスクとは?
●ニーディングディスクとは、強いせん断を利用して
材料を【練り込む】混錬要素です。 主に、
・分散混合
・凝集解砕
・フィラー分散
・顔料分散
等に使用されます。
■ニーディングディスクの特徴
①強いせん断力が発生する
●ディスク同士が細かく配置されている為、材料に
強いせん断が加わります。 その為、
・カーボンブラック
・タルク
・ガラス繊維
・難燃剤
・ナノフィラー
等の分散に非常に有効です。
②分散性能が高い
●凝集を壊す能力が高く
・白点
・異物
・フィッシュアイ
・分散ムラ
対策に効果があります。
特に高充填配合では重要な要素になります。
③発熱しやすい
●強いせん断を与える為
・樹脂温度上昇
・熱劣化
・焼け
・ゲル化
が発生しやすくなります。
熱に弱い樹脂では注意が必要です。
④繊維を破壊しやすい
●GF強化材では、ガラス繊維長を短くしやすい
というデメリットはあります。 その為、
・強度低下
・物性低下
に繋がる場合があります。
■ミキシングディスクとは?
●ミキシングディスクとは、材料を【穏やかに混ぜる】
事を目的とした混錬要素です。
ニーディング程強いせん断を与えず
・分配配合
・温度均一化
・添加剤配合
等に使用されます。
■ミキシングディスクの特徴
①低せん断で混合できる
●樹脂へのダメージが少なく、
・熱劣化防止
・分子量低下防止
・焼け防止
に有効です。
②ガラス繊維を保持しやすい
●GF破断が少ない為、
・強度維持
・長繊維保持
に有効です。
特にエンプラ系では重要になります。
③分配配合に優れる
●材料全体を均一に混ぜる能力に優れています。
例えば、
・添加剤均一化
・潤滑剤分散
・色ムラ防止
などで効果があります。
④強い凝集解砕は苦手
●一方で、強固な凝集体を壊す能力は低いという
特徴があります。 その為、
・高充填
・ナノフィラー
・顔料凝集
・フィッシュアイ対策
では、混錬不足になる場合があります。
■ニーディングVSミキシングディスク 比較表
項目 ニーディング ミキシング
・混錬タイプ : 分散混合 : 分配混合
・せん断力 : 強い : 穏やか
・発熱 : 多い : 少ない
・分散性能 : 高い : 中程度
・樹脂ダメージ : 大きい : 小さい
・GF破断 : 多い : 少ない
・フィッシュアイ対策 : 強い : やや弱い
・熱劣化対策 : 不利 : 有効
■実際の現場でどう使い分ける?
●ニーディングディスクが向くケース
・高充填コンパウンド
⇒タルク高充填
⇒アルミナ高充填
⇒難燃剤高充填
・凝集解砕が必要
⇒フィッシュアイ対策
⇒顔料分散
⇒カーボンブラック分散
※分散不足が問題の時
【混ざらない】が原因なら、まずニーディングディスクを疑います。
●ミキシングが向くケース
・熱劣化しやすい樹脂
⇒PLA
⇒PVC
⇒一部エンプラ
・GF強度を維持したい
⇒GF-PP
⇒GF-PA
⇒長繊維補強材料
※樹脂を傷めたくない場合
過混錬防止に有効です。
■実は【組み合わせ】が最重要
●現場では、【ニーディングだけ】【ミキシングだけ】
というケースは少なく、実際には両者を組み合わせて
使用する事がほとんどです。 例えば、
・前半でニーディング分散
・後半でミキシング均一化
という、設計は非常に多く使われています。
※重要なのは、
・どこで
・どのくらい
・何を目的に
混ぜるかです。
ここを理解すると、二軸押出機のトラブル改善スピードが
大きく変わります。
■まとめ
●ニーディングディスクとミキシングディスクは
見た目は似ていますが役割は大きく異なります。
・ニーディング
⇒強分散
⇒凝集解砕
⇒フィッシュアイ対策
⇒高充填向き
・ミキシング
⇒低ダメージ
⇒均一混合
⇒GF保護
⇒熱劣化対策向き
重要なのは、【とにかく混ぜる】ではなく
【目的に応じて適切な混錬を行う】事です。
過混錬は品質悪化に繋がる事も多く
混ぜればいいわけではありません。






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