リサイクルPPのリペレット試作レポート
- n6nomura
- 4月2日
- 読了時間: 3分
(リサイクルPP+バージンPPブレンド)
今回リサイクルPPの安定化と物性回復を目的に、バージンPPを
段階的に添加したリペレット試作を実施したのでレポートにまとめます。
配合は以下の3水準。
使用設備 : 二軸押出機 26㎜ / L/D45
投入方法 : メインフィーダー リサイクルPP
サイドフィーダー バージンPP
●リサイクルPP(90wt%)+バージンPP(10wt%)
●リサイクルPP(80wt%)+バージンPP(20wt%)
●リサイクルPP(70wt%)+バージンPP(30wt%)
原料はいずれもフレーク(粉砕)状態となり、見た目の時点で
リサイクル材特有の色ムラと若干の異物が確認できるロット。
■90wt%リサイクル(バージン10wt%)
●この配合割合で言うと正直「いかにもリサイクル材」という挙動
溶融状態では粘度にばらつきがあり、トルクの微妙なブレが続く。
・ストランドは一応繋がるが
→表面がざらつく
→一部でネックイン(細り)発生
→ペレットカット時の断面が不均一
といった「劣化特有の不安定さ」がはっきりできる結果となった。
※この状態では、典型的な【高MFR化】の影響が強く出る。
・溶融粘度が低く、スクリュー内での「溜まり」ができにくい
・トルクが安定しない(材料の軽さによる脈動)
・ストランドが細りやすい
つまり「流れすぎて制御しにくい状態」
実際の押出でも、「軽くスカスカ流れる感じ」があり
これがペレット状態のバラつきにも直結している。
※とりあえずは再生できるが、このままでは熱物性等の
物性に問題がある状態と考える。
■80wt%リサイクル(バージン20wt%)
●この配合条件より多少印象が変化。
溶融時のトルクブレについても明らかに減少し
「まとまり感」が出てくる。
・ストランドの状態も改善し
→表面の粗さが減少
→伸びが安定
→カット性良好
と、実用レベルに近づく。
※この配合でバージンPPが効果が出てきている感じ
・溶融粘度が適度に回復
・トルクブレが減少
・スクリュー内での充満性が向上
ポイントは、単純な平均ではなく、高分子量成分が
粘度の骨格を作成する事。
これによって、リサイクル材の低分子成分による
「流れすぎ」が抑えられる。
ただし、完全にバージン材のような均一感ではなく
よく観察すると微細なゲルや色ブレも残った。
コストと品質のバランスが見え始める配合という印象。
※コストと品質のバランスが見え始める配合という印象。
■70wt%リサイクル(バージン30wt%)
●この配合条件では、加工性はほぼバージン材に近い領域まで回復。
押出中のトルクブレは安定、スクリュー負荷も軽く、ラインとしては
非常に扱いやすい。
ストランドは滑らかで連続性も高く、カット時のバラつきもほぼ無し。
・ストランド状態も
→光沢感が向上
→表面平滑性が良好
→ペレット形状が均一
と、「製品として問題ないレベルの品質」に到達。
※この領域では、MFR数値もかなり安定域に入る
・溶融粘度の均一化
・せん断に対する応答が安定
・ストランド径が安定
ここで重要な部分はMFRの返金地だけでなく分布が整う事。
リサイクル材は本来、分子量分布が広くばらついているが
バージン材を増やす事で分布がならされる。
ただし、当然ながらリサイクル比率が低下する為、コストメリットや
環境訴求とのトレードオフは発生する。








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