生分解性樹脂が黄変する原因とは?熱履歴との関係を解説
- n6nomura
- 6 日前
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近年、環境配慮材料として注目されている生分解性樹脂ですが
成型時や加工後に【黄変(黄色く変色する現状)】が発生する事が
あります。
外観品質が重要な製品では、わずかな黄変でも不良品として
扱われるケースがあり、成形条件や材料管理には十分な注意が必要です・
特に、生分解性樹脂は一般的なポリオレフィン樹脂と比較して熱に弱い
ものが多く、【熱履歴】が黄変の大きな原因となります。
本記事では、生分解性樹脂が黄変する原因と熱履歴との関係
対策方法についてわかりやすく解説します。
■生分解性樹脂の黄変とは?
●黄変とは、樹脂本来の色が黄色や茶色に変色する
現象をさします。
特に以下のような症状として現れます。
・ペレットが黄色くなる
・成型品の一部が黄ばむ
・再加工後に色が濃くなる
・長時間加熱後に茶褐色へ変化する
黄変は見た目だけではなく、樹脂の劣化が進行して
いるサインでもあります。
■熱履歴とは?
●熱履歴とは、樹脂が加工工程中に受けた熱の蓄積
を意味します。
例えば以下のような工程で熱履歴が発生します。
・押出機での溶融混錬
・射出成型
・再ペレット化
・リサイクル工程
・成型機内での長時間滞留
樹脂は加熱されるたびに少しずつ劣化が進みます。
※特に生分解性樹脂は熱安定性が低い為、熱履歴の
影響を受けやすい特徴があります。
■生分解性樹脂が黄変する原因
①熱履歴による黄変
●最も多い原因が熱分解です。
生分解性樹脂の代表例であるPLA(ポリ乳酸)は
過度な加熱によって分子鎖が切断されます。
その結果、
・分解生成物の発生
・分子構造の変化
・発色団の生成
が起こり、黄色や茶色へ変化します。
※特に温度設定が高すぎる場合や、長時間加熱した場合
に発生しやすくなります。
②樹脂の滞留による劣化
●成形機や押出機内で樹脂が長時間滞留すると
熱が継続的に加わり劣化が進行します。
例えば、
・生産停止時
・段取り替え時
・小ロット生産時
等で発生しやすくなります。
※スクリュー先端やデッドスペースに残った樹脂は
特に劣化しやすく、黒点や黄変の原因になります。
③水分による加水分解
●生分解性樹脂は吸湿性が高い材料が多く存在します。
十分に乾燥されていない状態で加熱すると
【水分+熱】によって加水分解が発生します。
その結果、
・分子量低下
・強度低下
・黄変
に繋がります。
※PLAやPBSなどは特に事前乾燥が重要です。
④酸化劣化
●高温状態で空気中の酸素と接触すると酸化反応が進みます。
酸化によって発色物性が生成される為、
・黄色
・茶色
・褐色
へ変色する場合があります。
※押出工程ではベント脱気や窒素パージを行うことで
抑制できるケースもあります。
⑤繰り返しリサイクルによる熱履歴蓄積
●近年は生分解性樹脂の再利用も増えていますが
再加工の度に熱履歴が蓄積します。
例えば、
・新材→成形→粉砕→再ペレット→再成形
という工程を繰り返すと、徐々に黄変しやすくなります。
※これは、分子量低下や熱劣化が進行する為です。
■黄変を防ぐ為の対策
①適正な成形温度を守る
●必要以上の高温は避けましょう。
メーカー推奨条件を基準に設定する事が重要です。
(成形状態及びストランド状態を確認し温度調整を行う)
②滞留時間を短くする
・生産停止時はパージ実施
・デッドスペースを減らす
・適切な機械サイズを選定する
事で熱劣化を抑えられます。
③十分な予備乾燥を行う
●材料メーカー推奨の乾燥条件を守る事で
加水分解を防止できます。
※特に梅雨時期や夏場は注意が必要です。
④再生材の配合率を管理する
●熱履歴を受けた再生材の使用料を適切に管理する事で
黄変リスクを低減できます。
⑤酸化防止対策を行う
・脱気設備の活用
・窒素置換
・酸化防止剤の使用
等も有効な手段です。
■まとめ
●生分解性樹脂の黄変は、主に熱履歴による劣化が
原因で発生します。
特に、
・熱分解
・長時間滞留
・加水分解
・酸化劣化
・リサイクルによる熱履歴蓄積
が大きな原因となります。
生分解性樹脂は環境にやさしい反面、熱安定性が比較的低い為
温度管理や乾燥管理が非常に重要です。
黄変を防ぐ為には、適正な加工条件を守り
不要な熱履歴を与えない事が品質安定化に重要です。






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