【保存版】ガラス繊維強化樹脂(GF樹脂)の分散のコツ!強度低下を防ぐ混錬条件とは?
- n6nomura
- 5月15日
- 読了時間: 4分
ガラス繊維強化樹脂は自動車・電機・建材など幅広い
分野で使用されている重要な材料です。
特に、PA、PP、PBT、PCなどへガラス繊維(GF)を配合する事で
剛性、強度、耐熱性を大きく向上させる事が出来ます。
しかし一方で、
・ガラス繊維が均一に分散しない
・繊維長が折れて物性が低下する
・フィード詰まりや偏折が発生する
・成型時に外観不良が出る
といった、問題も多く発生します。
本記事では、ガラス繊維強化樹脂における【分散のコツ】について
二軸押出機での実務視点からわかりやすく解説いたします。
■ガラス繊維強化樹脂とは?
●ガラス繊維(GF)は、樹脂へ配合する事で以下のような
性能向上が期待できます。
・高剛性化
・強度向上
・耐熱性向上
・寸法安定性向上
・クリープ特性改善
※特に
⇒ PA6+GF30%
⇒ PP+GF20%
⇒ PBT+GF30%
などは、工業用途では非常に一般的な組み合わせです。
ただし、性能を最大限引き出す為には
【ガラス繊維を均一に分散し、適切な繊維長を維持する事】
が重要になります。
■ガラス繊維分散で重要なポイント
①ガラス繊維を【折りすぎない】
●GF配合で最も重要なのは
【分散】と【繊維長維持】のバランスです。
強い混錬をかけすぎると、
・ガラス繊維が短くなる
・強度低下
・衝撃性低下
・補強効果低下
に繋がります。
※その為
⇒ニーディングディスクを入れすぎない
⇒過剰せん断を避ける
⇒滞留時間を長くしすぎない
といった設計が非常に重要になります。
②GF投入位置が非常に重要
●ガラス繊維は、通常サイドフィーダーから投入される
ケースが多くあります。
理由としては、
・主原料を先に溶融させる
・後からGFを投入する事で繊維破断を抑える
為です。
※特に重要なのは、【樹脂が十分溶融した位置で投入する】
事です。
未溶融状態でGFを投入すると、
⇒食い込み不良
⇒分散ムラ
⇒白点
⇒繊維露出
等の原因になります。
③スクリュー構成は【混ぜすぎない】
●GFコンパウンドでは、【しっかり混ぜたい】
と思われがちですが、実際には【混ぜすぎ】で
悪化するケースが非常に多いです。
特に注意したいのが、
・強せん断ニーディング
・逆ねじエレメント
・高充填ゾーン
※おすすめは
⇒搬送主体の構成
⇒緩やかな混錬
⇒分散混合重視
【分散】よりも【均一供給】の考え方が重要になります。
■フィード時の注意点
●ブリッジ対策
GFは嵩密度が低く、供給不安定になりやすい特徴があります。
特に、
・長繊維
・チョップドストランド
・高添加率
ではブリッジが発生しやすくなります。
※対策
⇒強制撹拌フィーダー
⇒振動機構
⇒フィーダー形状最適化
等が有効です。
■粉塵対策も重要
●ガラス繊維は粉塵が発生しやすく
・作業環境悪化
・設備汚れ
・フィルター詰まり
に繋がる場合があります。
※対策
⇒集塵
⇒排気設計
⇒投入部シール
等が重要になります。
■温度条件の考え方
●GF自体は溶けませんが、母材樹脂の溶融状態は
非常に重要です。
温度が低すぎると、
・分散不良
・トルク上昇
・繊維偏折
が発生しやすくなります。
※逆に高すぎると、
⇒樹脂劣化
⇒ガス発生
⇒焼け
の原因になります。
重要なのは、【必要以上に高温へしない】事です。
適切な粘度帯を維持しながら、低ダメージで分散させる事が
ポイントになります。
■ガラス繊維強化樹脂で発生しやすいトラブル
トラブル 主な原因
・強度不足 : GF破断、分散不良
・外観不良 : 繊維露出、偏折
・白点 : 未溶融、分散不良
・フィード不安定 : ブリッジ、嵩密度問題
・焼け : 過剰せん断、滞留
※実際の現場では、【配合】だけでなく
⇒スクリュー構成
⇒投入位置
⇒回転数
⇒フィード量
⇒温度設定
を総合的に調整する事が非常に重要です。
■まとめ
●ガラス繊維強化樹脂の分散では、
・混ぜすぎない
・繊維を折りすぎない
・適切な投入位置
・安定供給
・適切な温度管理
が非常に重要になります。
GFコンパウンドは、単純に【混ぜればいい】という材料ではなく
【繊維長を守りながら均一にする】という考え方がポイントになります。
条件設定ひとつで、
⇒強度
⇒外観
⇒成形性
⇒安定生産性
が大きく変わる為、二軸押出機でのノウハウが
非常に重要な材料分野です。
当社では、
・ガラス繊維強化樹脂(GF)
・高充填コンパウンド
・リサイクル材配合
・バイオマス樹脂配合
・二軸押出による試作、量産検討
等、材料特性に合わせたコンパウンド条件検討を実施しております。
【分散が安定しない】【物性が出ない】【繊維長を維持したい】
等、お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。






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