【保存版】ベント脱気の重要性とは?揮発・臭気・発泡を防ぐ二軸押出機の基本技術
- n6nomura
- 6月3日
- 読了時間: 4分
二軸押出機によるコンパウンドやリサイクル材料の製造において
【ベント脱気】は品質を大きく左右する重要な工程です。
原料中の水分や残留溶剤、低分子成分などが十分に除去されない場合
発泡や臭気、物性低下などの様々なトラブルの原因となります。
特に近年は、リサイクル材や天然素材、バイオマス材料の利用が
増えており、従来以上に脱気技術の重要性が高まっています。
本記事では、ベント脱気の役割や必要性、よくあるトラブル事例、
効果的な運用ポイントについて解説します。
■ベント脱気とは
●ベント脱気とは、押出機のシリンダー途中に設けられた
開口部(ベント口)から、樹脂中に含まれる揮発成分や
ガスを除去する工程です。
押出機内では材料が溶融する際に
・水分
・残留溶剤
・モノマー残渣
・分解ガス
・空気
等が発生します。
これらを効率よく輩出する事で、安定した品質のペレットや
成型品を製造できます。
■ベント脱気が必要な理由
①発泡防止
●最も多いトラブルの一つが発泡です。
樹脂中に残った水分や揮発成分がダイ出口で
急激に膨張すると、
・ストランドの膨れ
・表面荒れ
・内部ボイド
・ペレット不良
等が発生します。
特に吸湿性樹脂では注意が必要です。
※代表例
・PA
・PET
・PC
・TPU
・PLA
②臭気対策
●リサイクル材や添加剤を使用する場合、臭気成分が
問題になるケースがあります。
例えば、
・リサイクルPP
・リサイクルPE
・廃フィルム
・工業用回収材
等では、油分、洗浄剤残渣、有機物が
残っている事があります。
ベント脱気を適切に行う事で臭気を大幅に低減できる
場合があります。
③物性低下の防止
●水分や揮発成分が残ったまま高温で処理すると
樹脂の分解が進みます。
その結果、
・分子量低下
・強度低下
・衝撃性低下
・色調悪化
等の品質問題に繋がります。
特にPETやPCなど加水分解しやすい樹脂では
重要なポイントです。
④外観品質の向上
●ガスが残留すると成形品表面に
・シルバー
・ブリスター
・ピンホール
・表面荒れ
が発生する事があります。
脱気性能を向上させる事で外観品質も安定します。
■ベント脱気が必要になる材料例
●以下のような材料では特に脱気効果が期待できます。
※吸湿性樹脂
・PA
・PET
・PC
・TPU
・PBT
※リサイクル材料
・再生PP
・再生PE
・再生PET
・フィルム端材
※天然素材配合品
・セルロースナノファイバー
・木粉
・バイオマスフィラー
・紙粉
※溶剤を含む系
・コーティング回収品
・接着剤残渣含有品
・洗浄工程を得た原料
■ベント脱気を効果的に行うポイント
※原料乾燥を軽視しない
●ベント脱気は万能ではありません。
大量の水分を除去する設備ではない為
事前乾燥が重要です。
※ベント部の充填率を適切に管理する
●ベント位置で樹脂が充填しすぎるとガスが抜けません。
逆に充填不足でも安定化が低下します。
スクリュー構成と運転条件の最適化が必要です。
※真空ベントを活用する
●通常のベントよりも真空ベントの方が高い脱気能力を
発揮します。
特に、
・リサイクル材
・臭気対策
・高含水材料
では効果が大きくなります。
※温度設定を最適化する
●温度が低すぎると揮発成分が抜けにくくなります。
一方で高すぎると樹脂分解を招くため、材料毎の
最適条件を見極める事が重要です。
■よくあるトラブル
※ベントアップ
●ベント口から樹脂が噴き出す現象です。
原因例、
・吐出量過多
・スクリュー構成不適合
・温度過多による低粘度化
・ベント部の過充満
※脱気不足
原因例、
・原料水分過多
・真空不足
・スクリュー構成不適合
・滞留時間不足
※真空配管の閉塞
●揮発物が配管内で凝集し、真空性能が低下する事が
あります。
定期的な清掃とメンテナンスが重要です。
※まとめ
●ベントだっきは単なるガス抜きではなく、コンパウンド品質を
決定づける重要な技術です。
特に近年増加しているリサイクル材や天然素材配合品では
脱気性能が製品品質に直結します。
ベント脱気を適切に活用する事で、
・発泡防止
・臭気低減
・物性向上
・外観改善
・生産安定化
を実現できます。
【原料乾燥】【スクリュー構成】【真空条件】の3つを
バランスよく最適化し、安定したコンパウンド製造を
目指しましょう!!






コメント