タルク配合量と物性変化の関係!強度・剛性・衝撃性はどう変わる?
- n6nomura
- 2 日前
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更新日:1 日前
タルクは樹脂コンパウンドにおいて最も広く使用される
無機フィラーの1つです。
しかし【どのくらい入れると何がどう変化するのか?】
を正しく理解していないと、
・剛性は上がったが割れやすくなった
・成型は安定したが衝撃性が低下した
・コストは下がったが品質トラブルが発生した
といった問題に直結します。
本記事では、タルク配合量と物性変化の関係を実務目線で
わかりやすく解説します。
■タルクとは?
●タルクは層状構造を持つ鉱物で、以下の特徴があります。
・低硬度(滑りやすい)
・薄片状(プレート状)
・比重が比較的高い
・安価で安定供給
※この【プレート構造】が物性変化のカギとなります。
■タルク配合量と物性変化
●配合量が増えるとどうなるのか?
物性 変化傾向
・剛性(弾性率) : ◎大きく向上
・耐熱性(HDT) : ◎向上
・寸法安定性 : ◎向上
・成型収縮率 : ◎低下
・衝撃強度 : ×低下
・伸び(延性) : ×低下
・比重 : △上昇
・流動性 : △条件次第
■配合量別の考え方
●10~20wt%
特徴
・樹脂の特性を大きく壊さない
・剛性が少し向上
・衝撃性の低下は軽微
用途
・バランス型材料
・外観、靭性重視
※初期検討はこの領域が安全
●20~40wt%
特徴
・剛性、耐熱性が大きく向上
・寸法安定性が改善
・衝撃強度は明確に低下
用途
・構造部品
・反り、変形を嫌う製品
※最も実用的なゾーン
●40wt%以上
特徴
・非常に高剛性
・成形収縮が大幅低減
・脆化が顕著(壊れやすい)
注意点
・分散不良リスク増大
・流動性悪化
・ウェルド強度低下
※設計難易度が一気に上がる領域
■なぜこのような変化が起きるのか?
①プレート配向効果
●タルクは薄片状のため、流動方向に配向しやすい
→剛性、寸法安定性アップ
→しかし異方性が発生
②応力集中
●フィラー界面で応力が集中
→クラック発生の起点になる
■現場でよくある失敗
●剛性だけを見て配合量を上げすぎる
●分散が不十分で物性バラつき
●スクリュー設計が適切でない
●表面処理タルクを使っていない
※材料設計+プロセス設計はセット
■設計のコツ
●最初は20~30wt%で評価
●衝撃改質剤との併用検討
●タルク粒径、アスペクト比の選定
●表面処理(カップリング)の活用
●スクリュー構成で分散最適化
■まとめ
●タルク配合は、【剛性・耐熱性】と【衝撃性】の
トレードオフ設計です。
配合量を増やせば性能が上がるわけではなく
目的に応じた最適点を見つけることが最も重要です。






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