ドローダウンとは?フィルム成形で発生する原因・影響・対策を徹底解説
- n6nomura
- 7月16日
- 読了時間: 4分
Tダイフィルム成形やシート押出成形では、
【ドローダウン】という言葉をよく耳にします。
ドローダウンとは、フィルムやシーっとの厚み・幅・物性に
大きく影響する重要な加工条件の一つです。
適切に管理できれば、高品質な製品を安定して生産できますが、
過度なドローダウンはフィルム切れや厚みムラ、ネックイン
等の原因にもなります。
本記事では、ドローダウンの意味から計算方法
メリット、デメリット、発生しやすいトラブルや対策まで
初心者にも分かりやすく解説します。
■ドローダウンとは?
〇ドローダウンとは、Tダイから押し出された溶融樹脂を
引き延ばして薄くする事を意味します。
押出機から出てきた樹脂は、そのままでは厚みがありますが
冷却ロールで引き取る速度を早くする事で樹脂が延伸され
薄いフィルムやシートになります。
つまり、【押し出す量】と【引き取る速度】のバランスによって
決まる延伸量がドローダウンです。
■ドローダウンが大きいほどどうなる?
〇ドローダウンが大きくなると、樹脂は強く引き伸ばされます。
※メリット
・薄いフィルムが製造できる
・生産速度を上げやすい
・材料使用料を削減できる
・高い生産性が期待できる
※デメリット
〇一方で、過度なドローダウンは様々な問題を引き起こします。
・厚みムラ
・フィルム切れ
・ネックインの増加
・配向による物性変化
・ピンホールの発生
・寸法安定性の低下
特に薄膜製品では、ドローダウン管理が品質を左右する
重要なポイントになります。
■ドローダウン比とは?
〇ドローダウンは【ドローダウン比】で表される事が一般的です。
簡単に言うと、押し出した厚みが、最終的に何倍薄くなったかを
示す指標です。
例えば、
・ダイ出口厚み : 1.0㎜
・製品厚み : 0.1㎜
であれば、ドロー比は【1.0÷0.1=10】
つまり、10倍延伸していることになります。
一般的にドローダウン比が大きいほど加工何度も高くなります。
■ドローダウンに影響する要因
〇ドローダウンは様々な条件によって変化します。
①引取速度
〇最も大きく影響します。
引取速度を早くするとドローダウン比は大きくなります。
②押出量
〇押出量が多くなると厚みが増える為、ドローダウン比は小さくなります。
③樹脂の粘度(MFR)
〇流れやすい樹脂程引き伸ばされやすくなります。
逆に高粘度樹脂では高いドローダウンが難しくなります。
④樹脂温度
〇温度が高いほど溶融樹脂は柔らかくなり、引き伸ばされやすくなります。
ただし、高すぎるとフィルムが安定せず、破れやすくなる場合があります。
⑤樹脂の種類
〇樹脂によってドローダウン性能は大きく異なります。
例えば、
・LDPE : 非常に良好
・LLDPE : やや難しい
・PP : 比較的良好
・PET : 条件管理が重要
・EVOH : 加工条件に注意
材料特性を理解する事が重要です。
■ドローダウンとネックインの関係
〇ドローダウンが大きくなるほど、フィルム幅は中央へ
縮もうとします。
これがネックインです。
つまり、ドローダウンが増えるほどネックインも大きくなる
傾向があります。
その為、
・ダイ幅
・エアギャップ
・樹脂温度
・引取速度
これらを総合的に調整して最適条件を見つける必要があります。
■ドローダウンを最適化するポイント
〇品質を安定させるためには、
・引取速度を適切に設定する
・樹脂温度を最適化する
・押出量とのバランスを取る
・樹脂グレードを見直す
・ネックインとのバランスを考慮する
・厚み測定を行いながら条件調整する
これらを繰り返し検証する事が重要です。
■まとめ
〇ドローダウンとは、押し出された溶融樹脂を引き延ばして
薄膜化する加工技術の事です。
フィルムやシートの厚み、幅、物性、外観品質左右する
非常に重要な加工条件であり、引取速度・押出量・樹脂温度・材料特性
など多くの要素が影響します。
適切なドローダウン条件を設定する事で、高品質で安定したフィルム成形が
可能となります。
一方で、過度なドローダウンはネックインや厚みムラ、フィルム切れ等の
不良に繋がる為、各条件のバランスを考慮した最適化が欠かせません。
Tダイフィルム成形では、ドローダウンを正しく理解し
適切に管理する事が高品質な製品づくりへの第一歩となります。






コメント