エッジビードとは?原因・発生メカニズム・対策を徹底解説。(Tダイフィルム・シート成形の品質改善ガイド)
- n6nomura
- 7月17日
- 読了時間: 4分
Tダイフィルム・シート成形では、製品の端部に樹脂が厚く
盛り上がる【エッジビード】という現象が発生する事があります。
エッジビードは、製品歩留まりの低下や厚み精度の悪化
後工程でのトラブル等、多くの品質問題に繋がる為
成形現場では重要な管理項目です。
本記事では、エッジビードの仕組みや発生原因、
現場で実践できる対策まで、初心者にも分かりやすく解説します。
■エッジビードとは?
〇エッジビードとは、フィルムやシートの両端部分だけが
中央部よりも厚くなる現象です。
押し出された樹脂は空気中で自由に流動しますが
幅方向の端部では樹脂が拘束する力が少ない為
樹脂が端に集まりやすくなります。
その結果、端部だけが厚く盛り上がります。
この厚くなった部分をエッジビードと呼びます。
■エッジビードが発生する主な原因
①樹脂の表面張力
〇溶融樹脂は表面積を小さくしようとする性質があります。
その為、端部では樹脂が内側へ丸まりながら厚みが増え
エッジビードが発生しやすくなります。
②ダイ出口での流れの偏り
〇Tダイ内部の流量バランスが適切でない場合、端部へ樹脂が
多く供給されます。 特に、
・ダイ調整不足
・リップギャップの不均一
・マニホールド設計
等が影響します。
③ドローダウン条件
〇引取速度が高すぎる場合や延伸条件が適切でない場合
中央部と端部の伸び方に差が生じます。
この差によってエッジビードが目立つ場合があります。
④樹脂粘度
〇粘度が高い材料ほど流れにくい為、端部へ樹脂が
溜まりやすくなります。
代表例
・高分子量PE
・超高分子量樹脂
・高充填コンパウンド
等、
⑤成形温度
〇温度が低いと粘度が上がり、流動性が悪化します。
その結果、端部へ樹脂が残りやすくなります。
■エッジビードによる問題
〇エッジビードが大きいと、様々な不具合が発生します。
・歩留まり低下
・製品幅が狭くなる
・スリットロスが増加
・巻取り不良
・厚みムラ
・外観不良
・後工程での加工トラブル
・材料ロス増加
特に、量産では、年間での大きなコスト増加に繋がる
事があります。
■エッジビードの対策
①ダイ流量の調整
〇Tダイのリップ調整を行い、幅方向の流量のバランスを最適化します。
②樹脂温度の最適化
〇ドローダウン比を適正範囲に設定する事で、
厚みバランスが改善されます。
③引取速度の見直し
〇ドローダウン比を適正に設計する事で
厚みのバランスが改善されます。
④樹脂グレードの選定
〇用途によっては、
・MFR
・分子量
・粘度特性
の異なるグレードへ変更する事で改善する場合があります。
⑤エッジピン・エアナイフ活用
〇設備によっては、
・エッジピン
・エアナイフ
・エッジガイド
等を利用して端部形状を安定化出来ます。
■エッジビードを抑えるメリット
〇エッジビードを抑制する事で、
・歩留まり向上
・材料ロス削減
・品質安定
・厚み精度向上
・スリット効率改善
・生産コスト削減
・顧客品質向上
といった、メリットが期待できます。
品質向上とコスト削減を両立できる為、製造現場では非常に
重要なテーマです。
■まとめ
〇エッジビードとは、フィルムやシートの端部が中央部より
厚くなる現象であり、Tダイ成形では避けては通れない
重要な品質課題です。
発生原因は、樹脂の流動性や表面張力、ダイの流量バランス、
成形温度、引取条件 等、多岐に渡ります。
その為、一つの条件だけでなく、設備・材料・成形条件を
総合的に見直す事が改善への近道です。
エッジビードを適切にコントロールする事で
歩留まりや製品品質が向上し、材料ロスや製造コストの
削減にもつながります。
安定したフィルム・シート成形を実現する為にも
エッジビード対策は欠かせない重要ポイントと言えるでしょう。






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