ネックインとは?原因・発生メカニズム・対策を徹底解説(Tダイフィルム成形で品質を安定させるポイント)
- n6nomura
- 7月14日
- 読了時間: 4分
更新日:4 日前
Tダイフィルム成形やシート成形において、
【ネックイン】は製品幅や歩留まりに大きく影響する
重要な現象です。
【設定したダイ幅より製品幅が狭くなる】
【端部が厚くなってしまう】
【歩留まりが悪くなる】
このような問題に悩まされる場合多くは
ネックインが関係しています。
本記事では、ネックインの仕組みから発生原因
製品への影響、そして効果的な対策まで、わかりやすく解説します。
■ネックインとは?
〇ネックインとは、Tダイから吐出された溶融樹脂が
冷却ロールへ到達するまでの間に、幅方向へ縮み
フィルム幅が成膜なる現象をさします。
例えば、
・ダイ幅:500㎜
・製品幅:450㎜
となる場合、左右それぞれ約25㎜ずつ縮んでいる状態です。
ネックインはほぼすべての熱可塑性樹脂で発生しますが
その大きさは樹脂の種類や成形条件によって大きく異なります。
■ネックインが発生するメカニズム
〇溶融樹脂はTダイから押し出された直後、
まだ非常に柔らかい状態です。
冷却ロールへ引き取られる際、
・引張張力
・樹脂の表面張力
・溶融弾性(メルトエラスティシティ)
等が働き、樹脂は自然に中央へ収縮しようとします。
その結果、フィルム幅が狭くなりネックインが発生します。
■ネックインが大きくなる原因
①引取速度が速い
〇ドローダウン比が大きくなる程、溶融樹脂が強く
引っ張られる為、ネックインは増加します。
②溶融温度が高い
〇樹脂温度が高いほど流動性が高まり
幅方向へ縮みやすくなります。
③エアギャップが長い
〇Tダイから冷却ロールまでの距離が長いほど
自由に変形できる時間が長くなるため
ネックインが大きくなります。
④樹脂の種類
〇ネックイン量は樹脂によって異なります。
一般的な傾向として、
・PP : 比較的大きい
・PE : 比較的小さい
・PET : 条件によって変化
・PA : 比較的大きい
・EVOH: やや大きい
⑤溶融粘度が低い
〇低粘度グレードは流れやすく
幅方向にも縮みやすくなります。
■ネックインによる問題
〇ネックインが大きくなると、
①製品幅が不足する
〇設計寸法よりも狭くなり、不良率が増加します。
②歩留まり低下
〇端部をトリミングする量が増え、材料ロスが大きくなります。
③厚みムラ
〇端部が厚くなり、中央部との厚みバランスが崩れる場合があります。
④多層フィルムへの影響
〇多層押出では各層のネックイン量が異なる為
層厚バランスが崩れる原因になります。
■ネックインを抑える方法
①引取速度を最適化する
〇必要以上のドローダウンを避ける事で
ネックインを軽減できます。
②エアギャップを短くする
〇ダイと冷却ロールの距離を短縮すると
縮む時間が減少します。
③樹脂温度を適正化する
〇必要以上に高温で成形しない事で
流動性を抑えられます。
④ダイ幅を調整する
〇製品幅より広いダイを選定し
ネックイン量を見込んだ設計を行います。
⑤樹脂グレードを見直す
〇高溶融張力グレードは、ネックインを
抑えられる場合があります。
■ネックインとドローダウンの違い
項目 ネックイン ドローダウン
・発生方向 : 幅方向 : 厚み方向
・現象 : 幅が狭くなる : フィルムが薄くなる
・主な原因 : 幅方向収縮 : 引張延伸
・影響 : 製品幅・歩留まり : 厚み・強度
両者は密接に関係しており、ドローダウンを大きくすると
ネックインも増える傾向があります。
■まとめ
〇ネックインは、Tダイフィルム成形で避けて通れない現象ですが
その発生メカニズムを理解し、適切な成形条件を設定する事で
最小限に抑える事が可能です。
特に重要なのは、
・樹脂温度
・引取速度(ドローダウン)
・エアギャップ
・樹脂グレード
・ダイ設計
これらを総合的に最適化する事で。
ネックインを適切に管理する事で、製品幅の安定化、
歩留まり向上、材料コスト削減、品質向上に繋がります。
Tダイフィルム成形の生産性を高める為にも、ネックイン対策は
欠かせない重要なポイントと言えるでしょう。






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