生分解性樹脂はなぜ焦げやすい?押出機での注意点を解説!
- n6nomura
- 5 日前
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更新日:1 日前
環境配慮材料として注目されている生分解性樹脂ですが
【押出成形時に焦げが発生しやすい】
【黒点や異物が出やすい】
といった、トラブルに悩まされることがあります。
特にPLA(ポリ乳酸)やPBS、PBATなどの生分解性樹脂は
一般的なポリエステル(PE)やポリプロピレン(PP)
と比較して、熱に弱い傾向があります。
その為、通常樹脂と同じ条件で加工すると樹脂が劣化し
焦げや黒点の発生に繋がる場合があります。
本記事では、生分解性樹脂が焦げやすい理由と、押出機での
具体的な注意点についてわかりやすく解説します。
■生分解性樹脂が焦げやすい理由
①熱分解温度が低い
●生分解性樹脂の多くは、石油系樹脂よりも熱安定性が低い
特徴があります。
例えばPLAの場合、
・溶融温度 : 約160℃~180℃
・分解開始温度: 約200℃前後
と、加工温度と分解温度の差が比較的小さい為
少しの温度上昇でも劣化が始まります。・
※押出機内で局所的に温度が高くなると、樹脂が炭化して
焦げが発生します。
②滞留による熱履歴の蓄積
●押出機内で樹脂が長時間滞留すると、熱履歴が蓄積されます。
特に以下の部分は注意が必要です。
・スクリューの溝
・スクリーンチェンジャー周辺
・ダイ内部
・デッドスペース
※樹脂が溜まったまま加熱され続けると分解が進行し
焦げとなって製品中に混入します。
③水分による加水分解
●生分解性樹脂の多くは吸湿性があります。
十分な乾燥を行わずに加工すると、
樹脂が水分を吸収
加熱時に加水分解
分子量低下
熱劣化促進
という流れで樹脂の分解が進みます。
※結果として、
・焦げ
・黒点
・強度低下
・フィルム切れ
などのトラブルに繋がります。
④剪断発熱による局所過熱
●押出機内ではスクリューによるせん断エネルギーが
発生しています。
回転数が高すぎる場合、
・樹脂温度上昇
・局所的な加熱
・熱分解
が発生しやすくなります。
※設定温度は適正でも、実際の樹脂温度が想定以上に
上昇しているケースも少なくありません。
■押出機での注意点
①原料を十分に乾燥する
●生分解性樹脂では乾燥工程が非常に重要です。
代表例としてPLAでは、
・60℃~80℃
・4~8時間程度
の乾燥が推奨されるケースが多くあります。
※実際はメーカー推奨条件を確認ください。
②シリンダー温度を上げすぎない
●焦げを防ぐ為には、
【流れないから温度を上げる】
ではなく、
・スクリュー設計
・回転数
・ダイ設計
を見直す事が重要です。
※安易な温度上昇は熱劣化の原因になります。
③停止時はパージを徹底する
●生分解性樹脂は停止中も熱劣化が進みます。
設備停止時には
・パージ剤
・PE
・PP
等を使用して樹脂を置換し、シリンダーネイに残さない
事が重要です。
④デッドスペースを減らす
●焦げの多くは滞留部から発生します。
設備設計時には、
・ダイ構造
・アダプター構造
・スクリーンチェンジャー構造
等を見直し、樹脂が溜まりにくい構造にする事が
効果的です。
⑤定期的な清掃を行う
●少量の焦げでも押出品に混入すると不良の原因になります。
定期的に、
・スクリュー洗浄
・ダイ洗浄
・金型清掃
を行い、炭化物の蓄積を防ぐことが必要です。
■生分解性樹脂でよく見られる焦げトラブル
●代表的な現象として、
・黒点が発生する
・フィルムに黒筋が出る
・シート表面に異物が見える
・成型品が黄変する
・強度が低下する
等があります。
※これらの多くは熱劣化や滞留が原因である為
温度管理と滞留防止が重要になります。
■まとめ
●生分解性樹脂が焦げやすい主な理由は、
・熱安定性が低い
・長時間の滞留
・水分による加水分解
・剪断発熱による局所過熱
にあります。
特にPLAやPBS、PBAT等の生分解性樹脂では
従来のPEやPPと同じ感覚で加工すると
焦げや黒点が発生しやすくなります。
安定した押出成形を行う為には、
・原料乾燥の徹底
・適切な温度設定
・滞留防止
・停止時のパージ
・定期清掃
を実施する事が重要です。
生分解性樹脂の加工では、【温度管理】と【熱履歴管理】が
品質安定の大きなポイントとなります。






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